【Netflix編】ゲイツ、トランプ、ケンブリッジ・アナリティカ……金融・経済が学べるドキュメンタリー

自宅で過ごす連休中に観たいドキュメンタリー。Amazonプライム・ビデオ編に続いて紹介するNetflixは、ドキュメンタリー作品の宝庫。自社制作、オリジナルも多く、あらゆるジャンルの映画・TVシリーズがそろっている。最近では、トラなど希少な動物を私設動物園で買っているジョー・エキゾチックらに迫った『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』などが人気だ。今回も主に金融・経済関連の作品を選んだが、これ以外にも多数用意されているのでチェックしてみてはいかがだろうか。

気候変動、コロワクチン開発に取り組む天才・慈善活動家

『天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する』

© Netflix

マイクロソフトの創業者で、今はビル&メリンダ・ゲイツ財団共同創業者として、途上国のエイズ、教育、貧困対策などに取り組むビル・ゲイツ氏に迫ったドキュメンタリー。制作は映画『不都合な真実』でアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞したデイビス・グッゲンハイム。姉妹が彼の子供時代を振り返るパート1(52分)、学生時代や共同創業者のポール・アレン氏にフォーカスを当てたパート2(50分)、社会活動への熱意について紹介したパート3(55分)の3部構成。Netflix、2019年。

予告編

オバマ前大統領の映画会社の第一作

『アメリカン・ファクトリー』

© Netflix

オバマ前大統領の映画会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションの第一作であり、アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞受賞作品。アメリカ・オハイオ州の工場が閉鎖され、そこに中国企業フーヤオが進出してくるが、米中の働き方、考え方の違いから様々なあつれきが生まれる。スティーブン・ボグナー、ジュリア・ライカート監督。110分。

格差社会の到来を予言した経済学者による「資本主義を救う」ための処方せん

『ロバート・ライシュ 資本主義の救済』

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クリントン政権で労働長官を務めたロバート・ライシュ氏が、一部企業への権力の集中、資本主義社会そのものへ警鐘を鳴らし、救う(save)ための処方せんを提示する。1991年に発表した“The Work of Nations: Preparing Ourselves for 21st Century Capitalism ”(『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』)で格差社会の到来を予言していたライシュ氏は、本作以外にもドキュメンタリー映画が制作されている(Inequality for All、『みんなのための資本論』)。73分。

企業犯罪にフォーカス、トランプ大統領を取り上げたエピソードも

『汚れた真実』

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排ガス不正やペイデイローン(給与を担保にした高金利消費者ローン)、カルテルと銀行の癒着など、企業犯罪にフォーカスを当てたドキュメンタリーシリーズ。シーズン1の最終6話では「ペテン師」としてトランプ大統領を取り上げている。2シーズン、50〜77分の全12エピソード。

トランプ大統領の勝利と英国EU離脱はなかったかもしれない?

『グレート・ハック:SNS史上最大のスキャンダル』

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2016年6月のイギリスEU離脱是非を問う国民投票、同年11月のアメリカ合衆国大統領選挙で、いずれも勝者側が利用した選挙コンサルティング会社、ケンブリッジ・アナリティカ。既に廃業した同社が、Facebookデータの不正収集などを行い、クライアント側を勝たせるためにどのように使ったのか、その内幕が明らかにされる。114分。

予告編

パンデミック、ドーピング、音楽フェス……テーマはさまざま

このほかにも、自転車競技におけるドーピングを扱った『イカロス』、セレブがこぞってシェアしたものの大失敗に終わった音楽フェスについて取り上げた『FYRE 夢に終わった史上最高のパーティー』、食品供給の現場に密着、その不都合な真実を暴く『食品産業に潜む腐敗』のほか、『新型コロナウイルスをダイジェスト』『パンデミック〜知られざるインフルエンザの脅威〜』のように、今まさに注目されているテーマを取り上げた作品少なくない。

文・編集:濱田 優
画像:rafapress / Shutterstock.com