ビットコインの取引手数料、500億円以上削減できた:調査レポート

ビットコインの取引手数料、500億円以上削減できた:調査レポート

ウォレットサービスや取引所などが最先端テクノロジーを活用していたら、ビットコインの取引手数料は5憶ドル(約520億円)以上削減できた可能性がある。スタートアップ企業ヴェリファイ(Veriphi)の調査で明らかになった。

ビットコインの取引は手数料を上乗せすることができ、ユーザーはその額を決めることができる。ビットコインブロックチェーンに多くの取引が集中し、混雑している場合でも、手数料を上げれば取引を素早く完了させることも可能だ。

統計サイトのビットインフォチャート(bitinfocharts)によると、ビットコインの取引手数料は1件につき平均約3ドル。手数料は需要が高まると上がる。需要の増加による手数料の高騰はこれまでに何度か起きており、特に2017年は顕著だった。

手数料の上昇は悩みの種で、ビットコイン開発者はブロックサイズを1MBに収めながら、新規ユーザーの取引のために多くのスペースを作り出すことにエネルギーを注ぐ。

トランザクションバッチとセグウィット

ヴェリファイはレポートで、仮に2012年1月~2020年6月のすべての取引が「トランザクションバッチング」と呼ばれる技術を使って行われていたら、2万1131.97ビットコイン(約205憶円)の手数料を削減できたと結論づけている。

トランザクションバッチングは、一度に複数の取引を送信することで、取引手数料を削減する方法。この技術は単独のユーザーではなく、コインベース(Coinbase)やクラーケン(Kraken)といった取引所など、一度に複数の取引を送信する企業でより使われる。

さらに、仮に2017年8月~2020年6月のすべての取引にセグウィット(SegWit)が使われていたなら、3万6685.72ビットコイン(約360憶円)が削減できた。

2つを合わせると、削減できたはずの金額は5万7817.69ビットコイン、約565憶円となる。

2017年に正式にビットコインに追加されたセグウィットは、取引データのサイズを圧縮する技術だ。

セグウィットは約3年前に実用化されたが、対応するためには、各ウォレットや各サービスで個別にサポートを追加する必要がある。またユーザーは、取引の際にセグウィットが使用可能なアドレスを選択しなければならないケースもある。

予想されていたことだが、ウォレットや取引所などは現状、それぞれの都合に合わせてセグウィットを導入している。トランザクションの新しい送信方法を追加することは簡単な作業ではなく、帯域幅も必要となる。そのため、すべての企業がインフラへの追加投資を最優先にしているわけではない。

しかし、仮に平均的な手数料がユーザーの希望額を超えた場合、費用を節約したいユーザーは対応が遅いプラットフォームではなく、セグウィットを導入しているビットコインウォレットや取引所に移行するかもしれない。

ビットコインの手数料と次の強気相場

ヴェリファイの製品研究の責任者グスタボ・J・フローレス(Gustavo J. Flores)氏は、セグウィットもトランザクションバッチングは何年も前に登場しており、これらの技術が常に使われていたなら、ユーザーは相当の金額を節約できたと話す。

「コインベースがトランザクションバッチングを導入するというニュースを数カ月前に見た。バッチングは2011年か2012年にはすでに存在していたので、なぜこれほどまでに遅いのかと感じた。バッチングやセグウィットを導入していないことの影響はどれほどだろうと思って調べたところ、結果は相当大きな額、500億円以上だった」

現在、ビットコインの価格は上昇傾向にあり、次の強気市場が始まる兆候を見せている。つまり、手数料は再び高騰する可能性がある。

レポートの中でヴェリファイは、多数のトランザクションを行う個人や組織に対して、手数料を節約する最良の方法を検討することを勧めている。

「今回提示されたコスト削減の可能性はきわめて大きく、大量の取引を行うなら、競争力を維持し、コストを削減するためにこうしたツールの導入を真剣に検討すべきだろう」

翻訳:石田 麻衣子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Ray Reyes/Unsplash
原文:Bitcoin Scaling Tech Could Have Saved Companies and Users $500M in Fees: Report

おすすめ記事: