ビットメインの社内闘争が終結か、共同創業者の1人がCEOを辞任

大手暗号資産マイニング機器のビットメインでは、共同創業者が経営方針を巡って長く対立してきたが、経営陣同士の争いがようやく終結しそうだ。創業者の一人であるジーハン・ウー氏が、CEOと会長職を辞任すると発表した。

中国・北京に本社を置くビットメインは、ミクリー・ザン・ケチュアン(Micree Zhan Ketuan)氏とジーハン・ウー(Jihan Wu)氏が共同創業し、同社の株式上場を画策してきた。しかし、上場計画が白紙となった以降、両氏は1年半近くにわたり対立。製品出荷が遅延するなどの影響が出ていた。

ウー氏は26日に声明文を発表し、「本日、ビットメインのCEOと会長の職を辞することになりました。ミクリー氏と私、ビットメインの2人の共同創業者の間の意見の相違は最終的に、友好的に、そしてなによりも建設的なかたちで決着しました」と述べた。

経営トップの交代の一環として、ビットメインの子会社は取締役と法定代理人を変更する法的文書を提出している。

ザン氏はビットメインの株式の約半数を6億ドル(約620億円)でビットソース(Bitsource)から購入した。ビットソースは、ウー氏を含む創業当初からの株主グループのコードネームだ。

声明によると、ザン氏はビットメインからの4億ドルの融資と、グループ外からの2億ドルの資金調達で株式を購入したという。

分離した新会社のトップに

和解後、辞職したウー氏はビットメインから分離したビットディア(Bitdeer)を率いることになる。同社はアメリカとノルウェーでマイニング施設を運営する。ウー氏は新会社の会長を務める。また、ビットメインの主力マイニングプールであるアントプール(Antpool)も近々ビットメインから分離し、ミクリー氏が率いる独立会社となる。

「和解によって、ビットメインのビジネスモデルは高度に合理化され、より簡単にIPO(新規株式公開)に進むことができる」とウー氏は声明で述べた。

ビットメインは以前、株式公開に失敗している。

ビットメインの新たな取締役は5名で、3名をザン氏が、2名をウー氏が指名した。ウー氏は、最高財務責任者(CFO)のJianchun Liu氏と、マイニング機器を設計したXiang Zhu氏を指名している。

「本日の和解により、ビットメインは大きなチャンスが広がる新たなページを開きました。ビットメインの共同創業者として、2815日の旅路を多くのお客様、同僚、友人、投資家の皆さまからの多大なるご支援、ご協力のもと、楽しむことができました。ビットメインとミクリー氏のリーダーシップに心からお祝いを申し上げます」とウー氏は声明で述べた。

|翻訳:石田麻衣子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:ジーハン・ウー氏(CoinDesk archives)
|原文:Bitmain Co-Founder Exits, Resolving Years-Long Power Struggle as Mining Firm Preps IPO