- ビットコインは、休眠から目覚めたクジラや三連休中の流動性不足といった課題にもかかわらず、11万ドル近くの週間最高値を記録した。
- 主要暗号資産は利益確定売りに見舞われ、ソラナとドージコインが下落を主導したが、イーサリアムとXRPは安定を維持した。
- アナリストは、機関投資家の需要とETFへの流入を背景に、ビットコインが7月の過去最高値を上回る可能性があると示唆している。
ビットコイン(BTC)は7月6日に約11万ドルという史上最高の週次終値を記録し、80億ドル(約1兆1600億円、1ドル=145円換算)相当のBTCを移動させた休眠していたクジラウォレット、関税の再燃、そして祝日による三連休の流動性低下といった潜在的な逆風をものともせずに堅調に推移した。
BTCは7月7日の夜に一時売りが入った後、8日には10万8000ドル弱で安定した。主要暗号資産(仮想通貨)は利益確定売りが一巡した。ソラナ(SOL)は2.3%下落して149ドルとなり、ドージコイン(DOGE)も4.1%下落して下落を主導した。イーサリアム(ETH)は2530ドル付近で推移し、エックス・アール・ピー(XRP)は2.26ドル付近で安定していた。
市場全体では、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が貿易交渉再開の姿勢を示し、新たな関税発動を少なくとも8月1日まで延期したことを受け、アジア株は不安定ながらも売りを免れた。
韓国と日本が新たな関税発動に直面しているにもかかわらず、MSCI AC アジア・パシフィック指数は横ばいで推移した。円安とウォン高が進んだことでリスク選好度が再び高まり、EUとの合意の可能性が報じられたことでユーロも上昇した。
シグナルプラス(SignalPlus)のインサイト担当責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏は、「市場は再び過去最高値付近で推移している」と述べた。
ファン氏は「今週、決算シーズンが始まる。特に前四半期に突然の関税発動のニュースで不意を突かれたことを考えると、CEOが前向きなガイダンスを発表するという期待がセンチメントを左右している」と述べた。
暗号資産は引き続き、株式市場の動きを強く追っており、BTCとS&P500の相関は局所的に高水準で推移している。ファン氏は、ボラティリティが上昇しない限り、「暑いながらも静かな夏」を迎える可能性が高いと指摘した。ただし、急騰の可能性はまだ残されている。
一方、少なくとも1人のトレーダーは、今後数週間でビットコインが過去最高値11万2000ドルを突破すると見込んでいる。
「ビットコインは7月に過去最高値を突破する好位置につけており、月末には12万ドルに向けて上昇する可能性がある。機関投資家の需要とETF(上場投資信託)への継続的な流入が、強気の勢いを強め続けている」と、ビットゲット・リサーチ(Bitget Research)のチーフ・マーケット・アナリスト、ライアン・リー(Ryan Lee)氏はCoinDeskへのメッセージで述べた。
「イーサリアムも、クジラによる継続的な買い増しと、暗号資産に好意的なトランプ政権による新たな楽観論に支えられ、勢いを増している。ETHは7月末までに3000ドルを試す可能性があるが、市場のボラティリティが依然としてその要因となっている」とリー氏は述べ、9月に予想されるFRBの利下げがさらなる触媒となる可能性があると付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Crypto Traders Shrug Off Dormant Bitcoin Whale Moves, With Profit-Taking on XRP, DOGE, SOL


