- 7月24日の主要トークンの下落は、新たな弱気の取引ではなく、レバレッジをかけた強気ポジションの解消が主な要因である可能性が高い。
- 資金調達率がプラスで、建玉が減少していることは、トレーダーが「ロングスクイーズ」と呼ばれる現象の中で強気ポジションを手仕舞っていることを示唆している。
7月24日の主要暗号資産(仮想通貨)の価格下落は、弱気相場への転換ではなく、ロングスクイーズ、つまりレバレッジをかけた強気相場の解消によるものと考えられる。
主要な流動性の高いトークンの価格を反映するCoinDesk 20 指数(CD20)は、過去24時間で6.8%下落した。時価総額で最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)は、12万ドルを上回る水準を維持できず、ほぼ1%下落した。主要なアルトコインでは、イーサリアム(ETH)が3%、エックス・アール・ピー(XRP)が13%、ソラナ(SOL)が8%下落した。
これら下落は、テクニカルチャートによる弱気シグナルと一致している。また、オフショアの永久先物市場での建玉の減少と資金調達率のプラスが特徴的だ。
例えば、Veloのデータによると、XRPの建玉(先物市場で未決済の契約数)は2日間で6%以上減少した。これは、市場参加者がエクスポージャーを削減し、リスクの低いポジションを採用していることを示している。
SOL、BTC、ETHの先物取引の建玉は、それぞれ5%、1.5%、2%減少した。Veloは、バイナンス(Binance)、OKX、バイビット(Bybit)などの取引所に上場されているドル建てとテザー(USDT)建ての永久先物取引の活動を追跡している。
一方、4つのトークンの資金調達率(ファンディングレート)は引き続きプラスを維持しており、強気なポジションへのバイアスを示している。資金調達率がプラスであることは、永久先物が現物価格よりもプレミアムで取引されており、ロングポジションを維持するためにショートポジション保有者に対して支払いを行う必要があることを意味する。
ロングスクイーズは、過剰なレバレッジと過度に楽観的なロングポジションを市場から排除する「浄化作用」を果たすため、必要かつポジティブなイベントと見なされている。

価格の下落、建玉残高の減少、資金調達率のプラスという組み合わせは、強気なポジションが市場から積極的に解消されていることを示唆している。
これは、価格の下落が投資家の新たなショートポジション(弱気ポジション)の増加によるものではないことを示している。なぜなら、その場合はショートポジションの保有者がロングポジションの保有者に資金を支払う必要があり、資金調達率がマイナスに転じるはずだからだ。
さらに、価格が下落すると、新たなショートポジションが増加し、建玉残高も増加するはずだが、その兆候も見られない。
建玉の減少は、トレーダーがポジションを決済していることを示しており、これはレバレッジをかけたロングポジションの清算や市場からの自主的な退出が特徴で、新たなショートポジションが市場に流入しているわけではない。これらを総合すると、価格が下落しているにもかかわらず、市場センチメントは比較的堅調であることを示している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:BTC, XRP, SOL, ETH Witness ‘Long Squeeze’ as Futures Open Interest Slides With Prices


