- 週末の勢いが衰えた後、ビットコインは20日のアメリカ時間中に11万1000ドル付近で取引された。イーサリアムは4000ドルを割り込んだ。
- XRPとチェーンリンクが時価総額の高い暗号資産の上昇を牽引した。プライバシートークンが相対的に強さを見せたため、ジーキャッシュは17%上昇した。
- Arcaのアナリストらによると、マクロリスクが緩和し始める中、最近の反発は崩壊ではなく構造的なリセットであることを示唆している。
週末の暗号資産(仮想通貨)の反発は20日のアメリカ時間中に失速し、投資家は依然としてさらなる下落を懸念している。
ビットコイン(BTC)は20日終盤に11万1000ドル(約1665万円、1ドル150円換算)をやや上回る水準で取引された。過去24時間では約2%上昇したが、この期間に記録した高値からは下落している。イーサリアム(ETH)は4000ドル(約60万円)をやや下回り、この日0.2%下落した。
エックス・アール・ピー(XRP)とチェーンリンク(LINK)がCoinDesk 20 Index(CD20)の上昇を牽引した。一方、同指数に組み込まれていないプライバシー重視のトークンであるジーキャッシュ(ZEC)は際立って大きい17%の上昇を遂げた。
ほとんどのデジタル資産関連株も20日に上昇し、週末の暗号資産市場の安堵感に支えられた上昇の恩恵を受けた。ビットコインマイナーのライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)とマラ・ホールディングス(MARA Holdings)はそれぞれ10%と6%近く上昇し、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)は5%上昇した。
Arcaによると、崩壊ではなくリセット
週末にかけて懸念はいくらか和らいだものの、暗号資産恐怖・欲望指数(Crypto Fear & Greed Index)は依然として深刻な「恐怖」の領域にあり、一部のアナリストらは強気相場の終焉とより深刻な調整局面の到来を予測している。
しかし、デジタル資産投資会社Arcaは、最近の暗号資産相場の反発は短命であるとの見方を否定した。
Arcaのアナリストらは20日のメモで、今月に発生した急落は崩壊ではなく、より広範なリセットの一環だと指摘した。10月10日の暴落やレバレッジがかけられたポジションの一掃といった「背筋が凍るような」出来事はトレーダーを動揺させたが、アナリストらは、重要なのはその後に何が起こるかであり、現在主要な市場機能は回復しつつあると指摘した。
アナリストらは構造的な回復の兆候をいくつか指摘。取引所の取引高は前週比で約15%増加しており、分散型取引所の永久先物取引の建玉は再び増加していて、流動性は回復傾向にあると述べた。
Arcaのアナリストらはまた、マクロ的な圧力の緩和にも言及した。アメリカの地域銀行セクターのストレスは和らいでいるようで、連邦準備制度の緊急流動性資金供給枠からの借り入れは17日にゼロとなった。さらに、ハイイールド債の信用スプレッドが再び縮小しており、状況の落ち着きを示唆している。
Arcaは、「構造的な一時的逸脱によって弱気になる展開を何度も見てきた」とし、「我々が目撃している回復は、単なるデッドキャットバウンス(大きく下げた後の一時的な反発)ではない」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk Data
|原文:Bitcoin Bounce Stalls as XRP, Zcash Lead Gains; Arca Says Rally Not a Dead-Cat Bounce


