- B.ライリー(B. Riley)は、米中貿易協議の進展の中で資本の流れが回復し始めているものの、企業の暗号資産(仮想通貨)活動は依然として低調であると指摘した。
- ビットマイン・イマージョン(BitMine Immersion)は、デジタル資産トレジャリー企業の中で先頭に立ち、約3億ドル相当のイーサリアムを追加購入し、暗号資産へのエクスポージャーを強めた。
- B.ライリーは、香港と米国でソラナ現物ETF(上場投資信託)が立ち上げ初日に8億ドルを集め、ソラナの機関投資家に対する魅力を高めたと指摘した。
最近の暗号資産のデレバレッジの影響を受けて、企業のデジタル資産活動は週を追うごとに低迷を続けたが、ウォール街のブローカー、B.ライリーは、米中貿易協議が進展するにつれて資本の流れが正常化し始めていると指摘した。
B.ライリーは今月、デジタル資産トレジャリー企業(DATCO)であるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(BitMine Immersion Technologies)、シャープリンク・ゲーミング(SharpLink Gaming)、FGネクサス(FG Nexus)、カインドリーMD(Kindly MD)、およびシークアンス・コミュニケーションズ(Sequans Communications)のカバレッジを開始し、それぞれに「買い」の格付けを与えた。
アナリストのフェドール・シャバリン(Fedor Shabalin)氏とニック・ジャイルズ(Nick Giles)氏は10月29日発表のレポートで、「市場の弱さにもかかわらず、DATCOは暗号資産の蓄積を継続した」と指摘した。
アナリストらによると、約3億ドル(約460億円、1ドル=153円換算)相当のイーサリアム(ETH)を追加購入したビットマイン・イマージョンが競合をリードしている。ビットマイン・イマージョンは、イーサリアムに特化したトレジャリー企業の平均3.9倍と比較して、その集中率を1000株あたり10.6ETHに引き上げた。
B.ライリーが追跡する25社の間で、純資産価値(NAV)の中央値は1.0倍から1.1倍に改善し、平均は1.0倍で安定した。
B.ライリーは、保有する暗号資産を売却して自社株の買い戻しに成功したETHZillaの例を挙げ、NAVを下回って取引されている企業が、評価のギャップを縮めるために自社株買いを開始すると予想している。
この戦略が特に意味を持つのは、シークアンス・コミュニケーションズであると、B.ライリーは指摘した。同社株はNAVの0.7倍と、グループ内で最も大幅なディスカウントで取引されている。シークアンスは、11月4日の市場オープン前に第3四半期の決算を報告する予定である。
機関投資家による暗号資産採用の注目すべき進展として、ソラナ(SOL)現物ETFが香港と米国でデビュー初日に8億ドルを集めたと、レポートは指摘した。
B.ライリーは、このETFローンチによって、ビットコイン(BTC)やイーサリアムと並ぶ第一級の資産としてのソラナの地位が強化されたと述べた。
B.ライリーのアナリストらは、ビットマイン・イマージョンをDATCOカバレッジの中で最も優位な銘柄と引き続き評価している。一方で、もう1つの主要推奨銘柄であるシャープリング・ゲーミングにとっては、大きな材料のない静かな一週間であったと指摘した。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:CoinDesk
|原文:Crypto Treasury Activity Still Tepid, but Capital Flows Rebound: B. Riley


