F1のマクラーレン、ファントークンを発行──トルコ企業と提携

F1(フォーミュラ1)レーシングチームの「マクラーレン(McLaren)」は、トルコの暗号資産(仮想通貨)企業のBitci.comと提携を結び、チームの公式デジタル・ファントークンを発行する。

24日の発表によると、ファントークンの発行はF1界では初の試みだという。マクラーレンの公式パートナーになるBitci.comは、トルコで暗号資産取引所を運営しており、取引量は1日約5000万ドル(約54億円)。

ファントークンの発行は、欧州の名門サッカーチームなどでも導入されている。トークンを通して、チームはファンとのつながりを強化することが可能だ。例えば、ファントークンの保有者は、チームが主催するイベントに参加できたり、さまざまな特典を取得することができる。

スペインのサッカーチーム「FCバルセロナ(FC Barcelona)」は昨年、ファントークン「バルサ・ファン・トークン($BAR)」を発行。発行開始から、2時間足らずで130万ドル(約1億4000万円)の売り上げた。

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マルタに拠点を置くファントークン・プラットフォーム「チリーズ(Chillz)」は今月、5000万ドル(約54億円)の資金を投じて、野球やアメリカンフットボールなど、米国のプロスポーツ界で事業を展開すると発表した。

マクラーレンのファントークンは、2020年に開発されたBitci.com独自のブロックチェーン「Bitci Chain」を利用して、発行される。

トルコでは昨年、2011年以来となるF1レース「2020年トルコグランプリ」が開催された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、レースは無観客となった。F1グランプリの世界の観客数は、約4億3300万人と推定されている。

「F1のレジェントのマクラーレンが、このプロジェクトのためにトルコのブロックチェーン企業との提携を選択した事実は、トルコの起業家やエンジニア、ソフトウェア開発者のグローバルな成功の確かな証拠であり、きわめて大きな意味を持つ」とBitci Technologyは声明で述べた。

1963年設立のマクラーレンはこれまでに180回以上の優勝経験を誇る。

|翻訳:新井朝子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:2018年、スペインのカタルーニャ・サーキットにて(Shutterstock)
|原文McLaren Partners With Turkish Crypto Firm to Launch Formula 1 Fan Token