NY、フロリダより暗号資産フレンドリーな州とは?知事もクリプト保有者

アメリカ・ワイオミング州知事のマーク・ゴードン氏は今週、自身が暗号資産(仮想通貨)を保有していることを明かした。イエローストーン国立公園で知られるアメリカ西部の同州は、暗号資産事業者にフレンドリーな州でもある。

ゴードン知事は米CoinDeskが開催しているオンラインイベントに登壇し、同氏が暗号資産を保有している事実を認めた。ワイオミング州政府のブロックチェーン・タスク・フォースの一員として、ゴードン知事と業務を行ってきたケイトリン・ロング氏は、「ゴードン知事が暗号資産を持っていたなんて知らなかった」とツイッターでコメント。

「カウボーイ州(Cowboy State)」のニックネームを持つワイオミング州は、高速インターネット回線の整備に加え、ブロックチェーンに関する規制整備を積極的に進めてきた。これらの施策によって、ワイオミング州が暗号資産取引所のクラーケン(Kraken)や、リップル・ラボ(Ripple Labs)、「カルダノ」の開発を行うIOHKなどのブロックチェーンにフォーカスしたスタートアップ企業を誘致することができたと、ゴードン知事は述べる。

「多くの人がニューヨークやマイアミ、デラウェアに目を向けるだろう。しかし、先駆的な多くのことがワイオミングで起きている」とゴードン知事。ワイオミング州では2018年に、銀行業務とブロックチェーン技術のシナジーを明確にした法案が議会に送られ、議論を進めてきた。

IOHKは、カルダノ・ラボの設置場所にハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)ではなくワイオミング大学(University of Wyoming)を選び、リップル・ラボは同州に拠点を開設した。クラーケンは昨年、特別目的預金金融機関(SPDI)の設立を同州政府に承認されている。

ゴードン知事はこれまで、中央銀行が発行するデジタル通貨よりも、民間発行のものを支援する考えを述べてきた。「デジタル人民元や、他の政府が開発するデジタル通貨がシステムを圧倒してしまうことに懸念を持っている。たとえば、人がビットコインに投資できれば、自国経済をより強くすることができるだろう」と知事は述べる。

「ワイオミングは現在、リーダー的存在と言える。ポリス知事(コロラド州知事のジャレッド・ポリス氏)も、ワイオミングに追いつこうとしている。常にトップを走り続けることが難しいことは分かっている」(ゴードン知事)

|編集:佐藤茂
|トップ画像:イエローストーン国立公園(Shutterstock)
|原文:Wyoming Governor Mark Gordon Owns Crypto