DeFiとCeFiをメタバースでつなぐ──元フォビ幹部、27億円規模のファンド立ち上げ

暗号資産(仮想通貨)取引所フォビ(Huobi)の元幹部がベンチャーキャピタルを設立、初のファンドを立ち上げた。同社は知名度はまだ低いが、VC業界有数の会社が支援している。

OP Crypto Capital Management Ltd.(以下、OP Crypto)の設立はおよそ2カ月前。フォビキャピタル(Huobi Capital)の元シニア投資ディレクターで、フォビのインキュベーター組織「フォビラボ(Huobi Labs)」の元マネジングディレクターでもあったデビッド・ガン(David Gan)は6日、設立目的はDeFi(分散型金融)とCeFi(中央集権型金融)をメタバースでつなぐことと語った。

来るべきWeb 3.0のエコシステムにおいて、コーポレートガバナンスの未来を形づくり、権力を中央集権的な存在からコンテンツクリエーターに移すことができるプロジェクトに投資することでその目標を達成していくという。

OP Cryptoは、フォビ・ベンチャーズ(Huobi Ventures)、Galaxy Digital傘下のVision Hill、Bybitの投資部門Mirana Ventures、The Brooker Group、CoinDeskの親会社Digital Currency Groupが支援している。

東洋と西洋の市場をつなぐ

ガン氏はCoinDeskのインタビューに対して、OP Crypto初のファンドは約2500万ドル(約27億円)を目標としていたが「当初の目標を大幅に上回るだろう」とコメント。初期のプレシードラウンドのプロジェクトを支援・インキュベートしていくと述べた。

「OP cryptoは…(中略)初期段階の投資に関心を持たない大手ファンドが手をつけていない空白を埋める」(ガン氏)

同社およびそのファンドは、「東洋と西洋の市場」の間の「ギャップを埋める」ことにフォーカスし、新しいプロジェクトを製品の市場導入、トークンエコノミクス、人材採用などでも支援していく。

「現在、アメリカにはアジア市場と深いつながりを持つ暗号資産ベンチャーキャピタルは存在しない。私は大手取引所出身の唯一の中国人VCゼネラルパートナーであり、ファンドの現在のチームメンバーは、フォビ、バイナンス(Binance)、オーケーエックス(OKex)、さらにはレパブリック(Republic)、コインリスト(Coinlist)などの複数の取引所での経験と、深い関係を持っている」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Former Huobi Exec Launches $25M Fund Seeking to Bridge CeFi, DeFi and the Metaverse