プロ野球のパリーグ、NFT事業に参入──西武ライオンズのコンテンツ販売開始

プロ野球のパシフィック・リーグ6球団が設立したパシフィックリーグマーケティング(PLM)は9月7日、NFTコンテンツを扱うプラットフォームの運営を開始し、埼玉西武ライオンズの公式アイテムの販売をスタートさせた。NFTコンテンツの販売は日本プロ野球界では初となる。

発表によると、運営する販売プラットフォームは「PLM COLLECTION(PLMコレクション)」で、今回売り出すNFTは、埼玉西武ライオンズの栗山巧選手の通算2000安打達成を記念して開発したコンテンツなど4種類。一部の商品はNFT化されたデジタルデータと現物をセットにして数量限定で販売する。

パリーグマーケティングは今後、PLM COLLECTIONに二次流通機能を実装し、 ユーザー同士の売買も可能にしていく計画だ。PLMのプラットフォーム開発には、ブロックチェーン関連企業のスタートバーンが参画した(PLM・広報担当)。

NFT(ノンファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アニメやゲーム、アートなどのコンテンツの固有性や保有を証明することができるもので、NFTを利用した事業は世界的に拡大している。

新型コロナウイルスのパンデミックで、観客の動員制限などがかかるなか、西武ライオンズは、新たな収益源を確保するための取組みを模索してきた。NFT商品の一次販売による売上と、 将来的に二次流通を通じて発生する還元金は、同社の新たな売上として計上されるという。

日本では、マネックスグループ傘下のコインチェックやLINE、GMOインターネットグループがNFTの発行・取引を可能にするマーケットプレイスの運営を開始する一方で、国内のアーティストやアニメ・マンガのクリエイター、ゲーム会社などがNFTを活用した取り組みを始めている。

タレントの香取慎吾氏は5日、パラリンピックサポートセンターへの全額寄付チャリティ企画の「香取慎吾NFTアートチャリティプロジェクト」を発表。このプロジェクトでは、LINEが子会社のLVCを通じて開発したブロックチェーン「LINE Blockchain」が採用された。

|テキスト・編集:佐藤茂
|トップ画像:「PLM COLLECTION(PLMコレクション)」のHPより
|編集部より:プラットフォーム開発の詳細を3パラグラフ目に追記、記事を更新しました。