スポーツNFTのDapper Labsが約275億円を調達、評価額は8300億円超

独自のブロックチェーン上で、全米プロバスケットボール(NBA)のデジタル・トレーディングカード(NFT)を手がけるDapper Labsは9月22日、2億5000万ドル(約275億円)の資金を調達したと発表した。

今回の調達ラウンドに詳しい関係者によると、同社の評価額は76億ドル(約8370億円)だった。同ラウンドはCoatueが主導し、アンドリーセン・ホロウィッツやグーグルのGVなどが参画した。

プロスポーツのNFT(非代替性トークン)ビジネスでは今年、欧米を中心に大型の資金調達が相次いでいる。デジタルのプレイヤーカードを利用して、仮想のサッカーチームを購入・取引できるファンタジーゲームを運営するSorare(本社・パリ)は、6億8000万ドル(約744億円)の資金調達を発表し、同社の評価額が43億ドルに達した。

NFT(ノンファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アニメやゲーム、アートなどのコンテンツの固有性や保有を証明することができるもので、NFTを利用した事業は世界的に拡大している。

「事業コンセプトが認められてきている。投資家は積極的に、我々と事業パートナーを結ぼうとしている」と、Dapper LabsのCEOを務めるRoham Gharegozlou氏はCoinDeskのインタビューでコメントしている。

スペインサッカーのラ・リーガと提携

Dapper Labsの事業を拡大させたのは、同社が運営する「NBA Top Shot」で、NBA選手のデジタル・トレーディングカードを扱うプラットフォームだ。ユーザーは、「Moment」と呼ばれる15秒程度の選手のハイライト動画が複数入ったパッケージを購入・取引することができる。

NBA Top Shotを利用して取引されたデジタル・コレクティブル(収集品)は、過去1年で総額約7億8000万ドルで、登録アカウント数は約110万。

Dapper Labsは22日、スペインのサッカーリーグ「ラ・リーガ(LaLiga)」とのパートナー契約締結を発表。レアル・マドリードやバルセロナなど20チームのデジタル・トレーディングカード(NFT)を扱うマーケットプレイスを開設する計画だ。

NBA Top Shot同様に、計画中のマーケットプレイスはDapper Labsが開発したブロックチェーン「Flow」で展開する。開設時期は2022年夏を予定している。

|編集:佐藤茂
|トップ画像:Shutterstock
|原文:Dapper Labs Said to Reach $7.6B Valuation in $250M Funding Round
※編集部より:本文を一部修正して、更新しました。