11億円の大型ヨット、売り出し中──ビットコインやドージコイン、NFTでも購入可能

暗号資産(仮想通貨)決済は、超富裕層の間で人気を集めている。最新事例は、170フィート(約52メートル)のスーパーヨットだ。

イタリア製のスーパーヨット「Vianne」のオーナーは11月29日、ヨットの購入代金として、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ドージェコイン(DOGE)、ソラナ(SOL)、ファントム(FTM)、バイナンスコイン(BNB)、さらにはCryptoPunksやBored Ape Yacht Clubなどの有名なノンファンジブル・トークン(NFT)を受け付けるとリリースで述べた。ただし、10%は手付金として法定通貨での支払いが必要となる。

Vianneの代金は1000万ドル(約11億円)、この冬、週19万6000ドル(約2200万円)でカリブ海クルーズにチャーターも可能だ。屋上デッキにはジャグジーとヘリコプターの発着スペースも備えている。

「ヨットの世界では暗号資産を使った決済が増えているが、この船はNFTを使って購入された史上最大のヨットとなるかもしれない」とオーナーは述べた。

大型ヨットが暗号資産で購入できることは、高級品の世界に暗号資産が広く普及していることを示している。例えば、ドルチェ&ガッパーナやサザビーズなどだ。

加えて、米金融大手モルガン・スタンレーは最近、顧客向け文書にメタバース・ゲームとNFTは、2030年までに高級品マーケットに500億ユーロ(約6兆4000億円)の収益機会を生み出すと記している。同行によると、グッチやイヴ・サンローランなどの高級ブランドの親会社フランスのケリング(Kering)は、メタバースから恩恵を受ける絶好のポジションにあるという。

Vianneのオーナーのファミリーオフィス(超富裕層の資産を管理する人あるいは組織)は、暗号資産はすでに現実のものになっていると述べた。

「特にこの1年は、可能な場合は暗号資産を使って取引を行うようにしている。現在、オーナーのために、より大型のヨットを探しているところだが、取引をする際は、選択できるなら間違いなく暗号資産で支払うだろう」とファミリーオフィスはCoinDeskにメールで語った。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Vianneのオーナー
|原文:For Sale: $10M Yacht, DOGE Accepted