【US市場】ビットコイン、4万3000ドル超──回復局面か

ビットコイン(BTC)は12日、4万3000ドルを超えた。2カ月におよぶ下落トレンドからの回復が進んでいるようだ。

アルトコインは、ファントム(FTM)、ステラルーメン(XLM)、柴犬コイン(SHIB)などが上昇を牽引し、24時間ですべて10%以上上昇。アルトコインの上昇は、上昇相場では通常ビットコインを上回り、トレーダーのリスク意欲を反映している。だが投機性の高いアルトコインの上昇は、引き際を迎えているとの見方もある。

一方、オプショントレーダーはビットコインにそれほど弱気ではないようだ。暗号資産デリバティブリサーチ会社スキュー(Skew)のデータによると、1週間プット・コール・スキューは、10日以降、17%からほぼ0%に低下している。

プット・コール・スキュー:プット(売る権利=弱気の投資)のコール(買う権利)に対するコスト

最新価格

●ビットコイン:43,905.25ドル、+2.6%
●イーサリアム:3381.68ドル、+4.4%

●S&P500:4762.35、+0.28%
●ゴールド:1827ドル、+0.47%
●米国10年債:1.735%

一部のアナリストは、ビットコインに対する長期的な強気見通しを維持しており、このところの下落は広範な上昇サイクルにおける単なる落ち込みに過ぎないと考えている。例えば、シンガポールの暗号資産投資会社スタックファンズ(StackFunds)は、今年のターゲット価格を12万ビットコインとしている。

それでも投資家はボラティリティに備えなければならない。「株式市場から影響を受ける不安定さを含め、暗号資産市場は今後数カ月、大きく変動すると考えている。投資家はインフレの新時代を切り抜けなければならない」とスタック・ファンズのレナード・ネオ(Lennard Neo)氏はレポートに記している。

ビットコインは回復局面か?

「一貫した下落トレンドの副産物は、落ちるナイフを捕まえようとする自信に満ちたロングトレーダーの清算」と暗号資産データ会社グラスノード(Glassnode)はブログに書いている。特に最近の下落トレンドとそれに続く清算の増加を考えると、ビットコインは短期的な底に近づいているようだ。

ビットコインが2021年7月のような回復局面に入った場合、ショートトレーダー(価格下落を想定したポジションを持つトレーダー)が、すぐに清算に直面する可能性があることを示している。

ビットコインのロング/ショートの清算(Glassnode)

アルトコイン

ニアなどの「FOAN」トークン、史上最高値更新:12日、主要暗号資産は上昇したが、いくつかの人気暗号資産が際立っていた。ファントム(FTM)、ハーモニー(ONE)、コスモス(ATOM)、ニア(NEAR)は20%を超える上昇となった。トレーダーは、これらの低コストかつ高速で、DeFi(分散型金融)を促進するレイヤー1ブロックチェーンの暗号資産をまとめて「FOAN」と呼んでいる。

イーサリアム2.0のステーキング、300億ドルを突破:現在、イーサリアム2.0には、900万超のイーサリアム(約300億ドル)がステーキングされている。イーサリアム2.0に参加するバリデーターは28万に達し、ネットワークのセキュリティ、健全性、分散化を支えている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Altcoins Rally as Bitcoin Buyers Return