暗号資産の時価総額、3週間で80兆円が消える──過去最高から約半分に

暗号資産(仮想通貨)は、時価総額が年初の2兆3000億ドル(約260兆円)から24日時点では1兆6000億ドル(約180兆円)となり、わずか3週間あまりで約30%減少した。

CoinGeckoのデータによると、ビットコイン(BTC)は年初から約30%、イーサリアム(ETH)は約40%下落し、全体では約7000億ドルの時価総額が失われた。11月に記録した過去最高の約3兆1000億ドルからは、約半分になっている。

暗号資産の時価総額(CoinGecko)

「暗号資産の冬」再び

ボラティリティの大きな暗号資産が50%を超えるような急激で壊滅的なドローダウンを経験することは珍しいことではない。

2013年4月、ビットコイン1月のわずか13ドルから230ドルの高値まで上昇。しかし数日で68ドルまで、約70%も下落した。

2017年から2018年にかけての強気相場でも同様のパターン、すなわち迅速かつ放物線的な価格上昇と、その数週間後の急落を経験。暗号資産の時価総額は2018年1月の8500億ドルから12月には1300億ドルとなり、85%という驚異的な減少となった。

その後、ビットコインが2017年の史上最高値を回復するまでには3年かかり、いわゆる「暗号資産の冬」として記憶されている。

ドローダウンの大きさはさまざまだが、昨年、一部のトレーダーが提供した「スーパーサイクル仮説」(暗号資産は大幅な普及の直前にあるという仮説)は水面下に沈んでいるようだ。

安全なポケット

一部のトレーダーにとっては、複数のアルトコインが救いとなっているようだ。

市場が成熟するにつれて、ビットコインとイーサリアムのドミナンスは低下しており、アルトコインが暗号資産全体の時価総額の大きな部分を占めるようになっている。

ファントム(FTM)やコスモス(ATOM)は、ビットコインとイーサリアムのパフォーマンスを上回っている。

その一方で、ポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)など、昨年大きな注目を集めた暗号資産のいくつかは、年初から大きく下落している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinGecko
|原文:Crypto Sell-Off Wipes $700B From Industry Market Cap So Far in 2022