【US市場】ビットコインは横ばい、取引高低下──FOMCを前に警戒感

ビットコイン(BTC)は14日、ほぼ横ばいで推移したが、一部のアナリストは今後数日間、ボラティリティが上昇すると予想している。

欧州連合(EU)議会の経済・金融問題委員会は14日、合意メカニズムにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を使うビットコインのような暗号資産に、環境に優しいメカニズムへの移行を義務づける可能性を持つ提案を否決した。この提案は先週、EUの暗号資産規制法案「Markets in Crypto Assets (MiCA)」の草案に追加され、世界中の暗号資産支持者から激しい反発を受けていた。

伝統的な市場では、S&P500は14日、やや下落、ゴールドと原油価格も下落した。

最新価格

●ビットコイン:38,835ドル、+0.45%
●イーサリアム:2,541ドル、-0.20%

●S&P500:4,173、-0.74%
●ゴールド:1,955ドル、-1.41%
●米国10年債利回り:2.14%

主要暗号資産取引所のビットコイン取引高は先週末、2月19日以来の低水準まで減少した。15日・16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、トレーダーの間にある程度の警戒感があることを示している。

地政学的な不確実性も取引高の低迷を引き起こしている。暗号資産データ会社グラスノード(Glassnode)は、2022年現時点までビットコイン保有者の需要は横ばいになっており、「グローバルマクロの不確実性が投資家センチメントに影響を与え、ビットコインの買い集めは進んでいない」ことを反映しているとブログに記した。

さらに、複数のテクニカル指標によると、3万5000ドル〜4万ドルの狭い取引レンジは、今後2週間にわたって高いボラティリティをもたらす可能性があるという。

ビットコイン取引高(CoinDesk, CryptoCompare)

弱気センチメント減少

ビットコインのプット・コール・レシオはここ数日間低下し、ビットコイン・オプショントレーダーの間で弱気センチメントが減少していることを示している。同レシオは現在、1月19日の底を上回っているものの、この1カ月で最も低い水準にある。

Fundstrat Global Advisorsは14日、メールで「今週、FRBが利上げを発表すると予想されているにもかかわらず、プット・コール・レシオは2月初旬の高水準から低下し続けている。投資家が長期的なリスクに対して、ポジションを取り始めていることを示しているかもしれない」と述べた。

ビットコインのプット・コール・レシオ(Skew)

アルトコイン

イーサリアム2.0のステーキング、1000万イーサリアムに:プルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行を進めているイーサリアムブロックチェーンでは先週、イーサリアム2.0へのステーキングが1000万イーサリアム(約260億ドル、約3兆1000億円)のマイルストーンを超えた。

イーロン・マスク氏の発言後、ドージコインが一時的に上昇:テスラのイーロン・マスクCEOがドージコイン(DOGE)をはじめとする暗号資産を売却しないとツイートした後、ドージコインは14日のアジアの取引時間中に一時10%上昇した。その後、アメリカの取引時間で下落し、約2%の下落となった。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, CryptoCompare
|原文:Market Wrap: Cryptos Decline After Rejection of EU Bitcoin Proposal