短期上昇のビットコイン、330万円回復でも戻り売りに注意【bitbankチャート分析】

短期上昇のビットコイン、330万円回復でも戻り売りに注意【bitbankチャート分析】

ビットコイン週足は、足元で上昇し約2カ月間の平均線となる8EMA(指数平滑移動平均線)近辺まで上昇している。先週は1.1%の小幅な上昇となり2週連続の陽線を記録した。今週も約6%上昇しており、3週連続の陽線を記録する可能性が高い。

(週足チャート・BTC/JPY:bitbank)

短期で価格が上昇し、週足より下位のチャートではテクニカルがかなりの改善が見られるが、週足ではまだ明確な弱気トレンドが継続していることがわかる。昨年末から始まった弱気トレンドの傾向として、価格下落の反動で8EMA近辺まで上昇した際は、短期の利益確定の売りが発生し上値が重くなる。

これまでの戻り目で売られたポイントには赤い矢印をつけている。現在の週足も先月400万円から250万円まで下落した反動で、8EMAにタッチする勢いで上昇しているが、今後の利益確定の売りに注意が必要だ。

オシレーター・インジケーターのMACDはマイナス圏で遅行線を下回っており、弱気トレンドの継続を示している。一方、遅行線との差は縮まっており徐々にモメンタムが回復していることを示している。

MACDとは:Moving Average Convergence Divergenceの略。移動平均収束拡散手法と呼ばれ、移動平均線分析をより発展させたテクニカル分析の手法の一つ。(野村證券より)

買われすぎと売られすぎ水準を示すRSIは、3週間前に記録した売られすぎ水準から上昇している。30を下回ると売られすぎ水準となり、3週間前は28を記録している。週足RSIが30を下回ることは、ビットコインのヒストリカルチャートでも稀で前回は2018年12月まで遡る。

週足RSIが30を下回ると長期の下落トレンドが反転することが多く、底が近いことを示している。

日足チャートでは強い値動き

(日足チャート・BTC/JPY:bitbank)

ビットコインの日足は今週に入り強い値動きを見せており、6月からのレジスタンスだった310万円を超えている。先週後半から買いが強くなり、現在も陽線を並べる展開になっている。

このまま強い上昇が続けば、次のレジスタンスである360万円近辺まで上昇する可能性がある。短期的には2週間移動平均線の14EMAの上位で日足が推移している間は、強気の値動きが継続していると判断することができる。

テクニカル面ではMACDが3カ月ぶりにプラス圏に浮上しており、大きな変化が見られた。通常、MACDのプラス圏突入は買い入れをする際の強い判断材料とされており、下落のモメンタムがかなり減退していることを示唆している。

ボラティリティ指数のADXは今週に入り小幅に上昇している。これまで下落方向へのボラティリティの高さを示していたが、足元では上昇方向へのボラティリティの発生を示している。

短期では上昇トレンドが発生していることを示している。テクニカル面では強気相場を示す指標が多く出てきてる状況だ。

250万円を大きく割り込む可能性は?

長期足の週足ではまだ弱気トレンドを脱したとは言い難い状況だが、日足レベルではかなりチャートが上向きつつある。短期では上昇のモメンタムが発生し、360万円のレジスタンスまで上昇する可能性が出てきた。

一方、400万円の6月高値を超えるにはまだ調整期間が必要だと考えられる。週足の戻り目からの売りにも注意したいところだ。ここ2週間の動きを見る限りは、間近安値の250万円を大きく割り込む可能性はかなり低くなったと言えるだろう。

足元の上昇トレンドのテクニカル以外の大きな要因として、アメリカのインフレがピークアウトするという見方が増えてきたことが上げられる。インフレ懸念が和らいだことで、アメリカの中央銀行であるFRBの利上げペースが鈍化するとのコンセンサスが金融市場で作られている。

足元で原油価格も下落に転じていることからこの見方をあと後押ししている。一方、利上げ局面が過ぎ去った訳ではないためビットコインのようなリスク資産へまとまった資金を投入する機関投資家は多くはないだろう。

インフレ懸念が再燃するようなら、ビットコインも再度売られることが予想されるため、短期の上昇に惑わされず今後の経済指標にも注意が必要だ。


真田雅幸:ビットバンク(bitbank)マーケット・アナリスト──カリフォルニア州立大学で経済学を専攻し社会のお金の流れについて興味を持つ。大学在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankで業界に関する調査業務を行いながら同社のメディアで寄稿を行う。2015年冬頃からビットコインへの投資、トレードを徐々に始める。最近は基本的なテクニカルに加え、デリバティブ情報やオンチェーン情報も分析しながらトレードを行う。


|編集・構成:佐藤茂
|トップ画像:Shutterstock.com

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