【US市場】ビットコインは横ばい、2万1500ドル付近で推移

ビットコイン(BTC)は25日、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の講演を翌日に控えるなか、ほぼ横ばいとなり、2万1500ドル付近で推移した。26日には何らかの値動きが見られるだろう。

米ワイオミング州ジャクソンホールでスタートしたFRBの第45回年次シンポジウムの初日、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で発表されるであろう0.5%あるいは0.75%の利上げに関するヒントはほとんどなかった。

フィラデルフィア連銀のパトリック・ハーカー(Patrick Harker)総裁はCNBCとのインタビューで、その決定は9月13日に発表予定の次のインフレ指標によると述べた。だが同氏は「急速に上げる」のではなく、「上げて、しばらく様子を見る」ことが賢明と考えている。

「0.5%の利上げは、依然として大きな動きであることを認識しなければならないと考えている。だから、0.5%か0.75%かは現段階では言えない。だが、0.5%が大きな利上げではないと考えることはやめよう」(ハーカー氏)

同氏はまた、金利が3.4%まで上昇し、しばらくしてから次の手を打つことを望んでいると語った。しかし、カンザスシティ連銀のエスター・ジョージ(Esther George)総裁は、ブルームバーグのインタビューで、金利は4%以上にする必要があるかもしれないと述べている。

セントルイス連銀のジェームズ・ブラード(James Bullard)総裁は、FRBの長期的なインフレ見通しについて、市場はインフレを誤って評価しており、物価圧力は多くの投資家が予想するよりも長い粘着性を持っていると考えているとCNBCに語った。

一方、イーサリアム(ETH)は、少しずつ上昇を続けた。「Merge(マージ)」の日程が正式に9月10日〜20日のどこかと公式に発表されるなか、今週は5%上昇している。

しかし、イーサリアムの楽観的な見方は長くは続かず、長期センチメントはすぐに弱気に転じる可能性があると、FXトレーディング会社Conotoxiaのマーケットアナリスト、ラファル・トウォコウスキ(Rafal Tworkowski)氏は指摘した。

「イーサリアムはしばらく堅調に推移するだろう」と同氏。だが、テクニカル分析では、50日移動平均線を割っており、下落傾向を示している可能性があると付け加えた。

最新価格

●ビットコイン:21,582ドル、-0.5%
●イーサリアム:1,704ドル、+1.7%

●S&P500:4,199.20、+1.4%
●ゴールド:1,771ドル、+1.3%
●米国10年債利回り:3.03%、-0.08

NFTとメタバース関連の暗号資産、下落

FLOWは1週間で約20%下落(出典:CoinDesk)

NFTとメタバースに関連した暗号資産(仮想通貨)は、NFT市場に対するセンチメントが悪化しているなか、この1週間低迷した。

ウェブ3プラットフォーム上でNFTやゲームなどのDapp(分散型アプリ)を構築できるフロー(Flow)ブロックチェーンのネイティブトークンFLOWは、20%下落。暗号資産データ分析企業メッサーリ(Messari)によると、時価総額10億ドル以上の52の暗号資産の中で、2番目に大きな下落幅となった。

NFTデータサイトのNonFungible.comのレポートによると、NFT市場の第2四半期の取引高は第1四半期から25%下落。NFTのリセール利益(転売益)も46%減少し、14億ドルの損失となった。

時価総額最大の人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のフロア価格(最低取引価格)は、4月の高値153.7イーサリアム(ETH)から約73イーサリアムまで50%以上下落。過去1週間では5.6%下落した。

アルトコイン

レディット、ポリゴンベースの「コレクティブル・アバター」のエアドロップ開始:米人気掲示板サービスのReddit(レディット)は、ブロックチェーン技術導入の広範な取り組みの第一歩として、ポリゴン(Polygon)基盤の「コレクティブル・アバター(Collectible Avatar)」のエアドロップ(無償配布)を開始した。

イーサリアム、マージを控えて好調:イーサリアムは、PoS移行「Merge(マージ)」の公式日程が発表され、市場の回復をリードしている。だが、一部のトレーダーは依然として慎重姿勢を維持している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Price Barely Budges as Traders Await Powell Speech