2022年下半期、投資は暗号資産やNFTからインフラ・プロジェクトに:KPMG

暗号資産(仮想通貨)企業への投資は、昨年の記録的な321億ドルから2022年上半期は142億ドルに減速、この傾向は今後も続くだろうと世界4大会計事務所のひとつ、KPMGがレポートで述べた。

「予想外のロシア-ウクライナ紛争、インフレ率の上昇、テラ(Terra)エコシステムの問題など、2022年第1四半期の途中から暗号資産業界がきわめて大きく崩壊したにもかかわらず、2022年の現時点までの投資額は、2020年までのすべての年を大きく上回っている。これは暗号資産業界の成熟と、投資を引きつけるテクノロジーとソリューションの幅広さを浮き彫りにしている」(KPMG)

上半期の大規模な投資案件は、暗号資産カストディ企業ファイアブロックス(Fireblocks)への5億5000万ドル、イーサリアムに特化した開発企業コンセンシス(ConsenSys)への4億5000万ドル、暗号資産取引所FTXへの4億ドルなどだ。

2022年後半、投資家は暗号資産やNFTを手がける企業ではなく、ブロックチェーン・インフラプロジェクト、特に金融技術の革新にブロックチェーンを活用するプロジェクトに向かうとKPMGは予想している。コンプライアンスや取引のトレーサビリティに関連するプロダクトへの注目度が高まるとともに、ステーブルコインへの関心も高まるという。

健全なリスク管理・コスト管理戦略を持つ暗号資産企業が弱気相場をサバイバルする一方、それ以外の暗号資産企業のレジリエンス(回復力)は「低い評価額で資本増強を目指す企業もあるため、非常に厳しく試される」とKPMGは予測している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Investment Slowdown Will Continue Rest of 2022, KPMG Predicts