イーサリアムPoW、1日目は苦情が殺到──価格も大幅下落

プルーフ・オブ・ワーク(PoW)で稼働するEthereum PoWの1日目は、悲惨な1日となった。

一部のユーザーは、Ethereum PoWの公式ツイッターが提供する情報に従ったがネットワークにアクセスできなかったと不満をツイート。別のユーザーはネットワークのウェブサーバーへのアクセスに問題があると報告した。

Ethereum PoWは、9月15日に「Merge(マージ)」と呼ばれるアップグレードで、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行したイーサリアム(ETH)ブロックチェーンからフォーク(分岐)したブロックチェーン。引き続きPoWでの稼働を望むマイナーなどが支持している。

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米CoinDeskは、公開されているリンクを使ってEthereum PoWのウェブサーバーにアクセスを試みたがうまくいかなかった。記者は何度かウォレットにネットワークを追加しようと試みたが16日朝の時点では失敗に終わった。

ビットコインキャッシュ(BCH:2017年にビットコインからフォークして誕生した暗号資産)のスケーリングツールSmartBCHは、問題はSmartBCHテストネットで使われているチェーンIDと同じチェーンIDが使われているためではないかとツイートした。複数の人たちもこの問題を指摘した。

チェーンIDは、ブラウザベースの暗号資産ウォレット「メタマスク(MetaMask)」がトランザクションに署名するために使用する番号。チェーンIDが正しくない場合、ユーザーは正しいネットワークに接続できず、ネットワークを利用することができない。

一方、Ethereum PoWのネイティブ暗号資産ETHWの価格は過去24時間で大きく下落。ユーザーが新しい暗号資産をすぐに市場で売却したためだろう。ETHWは、OKXをはじめとする複数の取引所に上場している。

ETHWは15日、Mergeの前には42ドル以上だったが、16日のヨーロッパ時間のはじめには78%も下落し、8.20ドルとなった。ETHW先物は9月第1週には54ドル以上で取引されていた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk TV(キャプチャ)
|原文:Ethereum PoW Network Sees Complaints on Day 1 Amid Data Goof-Up