既存のステーブルコインは、これから決まる国際的基準を満たさない:金融安定理事会

既存のステーブルコインの多くは、金融安定理事会(FSB)のようなグローバルな基準設定機関がまもなく設定する「ハイレベルな」勧告を満たさないだろうと、FSBのクラース・クノット(Klaas Knot)議長は2月20日に述べた。

FSBは今後のガイダンスで、ステーブルコインのガバナンスの枠組み、償還権、安定化メカニズムの強化を目標とすると、クノット氏はG20の財務大臣と中央銀行総裁への書簡で述べている。

2月20日に公表された2023年の作業計画によると、FSBは7月までに暗号資産(仮想通貨)とステーブルコインの規制に関する勧告をまとめることになっている。ステーブルコインは、米ドルやユーロのような他の資産の価値に固定された暗号資産だ。

世界中の規制当局は、決済に特化したステーブルコインを監督するための措置を講じているが、そのほとんどは現金同等物という形で法定通貨の準備金に支えられており、より悪名高いものは無担保の短期債務に支えられている。ステーブルコインの発行者は、準備金から民間債務を切り離し、透明性を高める努力をしてきたが、クノット氏のメッセージは、こうした対策が十分ではない可能性を示している。

クノット氏は書簡の中で、既存の多くのステーブルコインは決済や証券の標準設定機関が定める国際的な基準を満たしていないだろうと付け加えている。

2022年2月、FSBは金融安定性に対する暗号資産のリスクが「急速にエスカレートする可能性がある」と警告した。FSBを含む世界中の規制当局は、2022年のトークン発行会社テラ(Terra)や暗号資産取引所FTXを含む多くの企業の崩壊を受けて、このセクターを監督する努力を強めている。

先週、FSBは他の標準化団体と協力して、分散型金融(DeFi)をどのように規制すべきかを決定すると発表した。また、国際通貨基金(IMF)と暗号資産に関連する規制問題についての論文を発表することを計画している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Existing Stablecoins Won’t Meet Forthcoming Global Standards: FSB