国際的なDeFi規制、7月に枠組みを発表へ:金融安定理事会

金融安定理事会(FSB)は、他の国際的な基準設定主体とともに分散型金融(DeFi)をどのように規制すべきかを決定すると、2月16日に発表された報告書で述べている。

FSBは暗号資産セクターに対する政策提言案を、DeFi特有のリスクに対処するためにどの程度まで強化する必要があるかを検討する予定だと報告書は述べている。また、他の国際的な基準設定主体と協力して、DeFiと伝統的な金融の相互関連性を測定・監視する際のデータギャップを埋める方法を探る予定だ。

FSBはプレスリリースで「DeFiは、その機能またはそれがさらされる脆弱性において、伝統的な金融と大きく異なるものではない」と述べている。

2021年に始まった暗号資産(仮想通貨)ブームで企業や銀行がこの分野に進出する中、世界の規制当局は暗号資産が実体経済とどのように相互に関連しているかを監視してきた。その後、数十億ドルが暗号資産市場から一掃され、トークン発行会社のテラ(Terra)、暗号資産レンディングのセルシウス・ネットワーク(Celsius Network)、暗号資産取引所FTXなどの破綻が相次いだ。市場の混乱は、暗号資産に投資する人々のためにより良い保護策を講じることを規制当局に促しただけだった。

FSBも例外ではない。12月にはDeFi固有のリスクと脆弱性をより詳細に検討することを宣言し、10月には暗号活動の国際的な規制のための枠組みを提案している。FSBは2月16日に、7月には最終的な暗号資産規制の枠組みを公表する予定だと述べた。

「FSBは、これらの暗号資産の種類や発行主体に対して、プルデンシャル要件や投資家保護要件を追加で課す、あるいは既存の要件の執行を強化することで、より緊密な相互接続に内在するリスクを軽減できるかどうかを検討する可能性がある」と報告書は述べている。

報告書はDeFi、実体経済、伝統的金融の相互連携は限定的であるとしているが、「DeFiエコシステムが大きく成長した場合、波及の範囲は拡大するだろう」とFSBは述べ、DeFi市場と実体経済との関連を高める可能性があるとして、資産のトークン化の意味を分析するための追加作業を実施するとしている。

FSBは、運用の脆弱性、流動性と成熟度のミスマッチ、レバレッジがDeFiセクターを脆弱にしていると指摘した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Global Standard Setters Will Team Up to Tackle DeFi Regulation: FSB