ビットコイン、2万3000ドル割れ──2万2300ドル付近に

ビットコイン(BTC)は、暗号資産に特化した銀行のシルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)の株価が事業継続への懸念から50%超の下落となったことを受け、2日午前中に下落したが午後は上昇し、当記事執筆時点、24時間で0.4%上昇の2万3500ドル付近となっている(ただし、日本時間10時20分過ぎに、大きく下落して2万3000ドルを割った)。

シルバーゲートは1日遅く、年次報告書(Form 10-K、日本の有価証券報告書にあたる)の作成にはさらに2週間以上必要で、最近の複数の出来事の影響から事業継続の能力に影響が出る可能性があると述べた。この発表を受けて、多くの暗号資産企業が同行との取引を停止、2日の取引時間終了直前には株価は58%下落した。

ビットコインが数年来の安値まで急落した昨年11月のFTX破綻とは異なり、シルバーゲートにまつわる懸念はビットコイン価格にほとんど影響を与えなかった。2日、ビットコイン価格は2万3000ドル台半ばで推移した。

シルバーゲートをめぐるニュースがネガティブ要素となっていないことは「ポジティブに捉えなければならない」とStockCharts.comのシニア・テクニカルアナリスト、ジュリアス・デ・ケンペナー(Julius de Kempenaer)氏は語る。

「もし暗号資産トレーダーが本当にパニックになっているなら、今頃、価格に現れているはず。もしかしたら、この先、事態が悪化するかもしれないが、当分の間、市場はあまり問題なく消化することができそうだ」

イーサリアム(ETH)は、0.5%上昇して、1650ドル付近。暗号資産市場全体のパフォーマンスを測定するCoinDesk Market Index(CMI)は、0.06%上昇。

株式市場では、S&P500は0.8%上昇。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のFedWatch Toolによると、市場参加者は今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)に注目しており、現在30%以上のトレーダーがFOMCは0.25%ではなく、0.5%の利上げを行うと予測している。

シンガポールの暗号資産オプション取引会社QCP Capitalは、連邦準備制度理事会の関係者は「長期のさらなる利上げについて発言を続け、一部はソフトランディングの難しさをほのめかしている」と述べた。

暗号資産ブローカー、Caleb and Brownのジェイク・ボイル(Jake Boyle)氏は「多くの市場関係者は、長期にわたる市場の横ばい推移を予想していると思う」と述べた。予想以上のインフレを抑制するために、FRBは「当面の金融条件の引き締めを決定している」。

ビットコイン価格については「ハイヤーハイとハイヤーローのリズム(=上昇トレンド)はまだ続いており、最近の安値2万2800ドルを下方に抜けるまで続く。下抜けすれば弱さの最初のサインとなるだろう」とStockCharts.comのケンペナー氏は述べた。同氏は、2万1400ドル付近がより深いサポートになると考えている。

「何がポジティブ要因となり得るかはまだわからないが、ビットコインが2万5000ドル付近まで回復すれば、見通しは確実に改善するだろう」とケンペナー氏は続けた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Price Holds Steady Above $23K as Silvergate Capital Crumbles
※編集部より:本文を一部修正し、更新しました。