ビットコイン、2万ドル付近──7週間ぶりの安値に

ビットコイン(BTC)は7週間ぶりに2万1000ドルを割った。暗号資産フレンドリーな銀行として知られていたシルバーゲート銀行の親会社シルバーゲート・キャピタルが3月8日、同行の資産を「任意清算」し、事業を停止すると発表したことで、市場に不安が広がった。

ビットコインは9日、1月14日以来の安値2万50ドルまで下落、その後やや回復して2万370ドル付近で推移、24時間で7.6%超の下落となっている。

「シルバーゲート・キャピタルからの影響を考えると、暗号資産には厳しい環境が続いており、ビットコインは2万ドルを試すさらなる売り圧力にさらされるかもしれない」とOandaのシニア・マーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は9日のメモに記している。

Coinglassのデータによると、ビットコインは過去24時間で、9800万ドル以上の清算が発生、94%以上はロングポジションだった。

モヤ氏は、シルバーゲート銀行の事業停止は、暗号資産に対する銀行サービスにまつわる継続的な問題を浮き彫りにしたと書いている。同氏は「暗号資産業界は今、支払いや他の預金関連サービスを行うための新しいサービス企業を見つけようとしている」と続けた。

StockCharts.comのシニア・テクニカルアナリストのジュリアス・デ・ケンペナー(Julius de Kempenaer)氏は、仮にシルバーゲートのような暗号資産市場へのサービスサプライヤーがさらにトラブルに陥れば「暗号資産へのアクセスはより難しくなる…(中略)新しい投資家とっては魅力的ではなくなるだろう」と指摘した。

経済データ収集企業Truflationのステファン・ラスト(Stefan Rust)CEOは、シルバーゲートの危機は、機関投資家の市場参入を遅らせると述べた。

アルトコインも下落

他の多くの主要暗号資産も下落している。イーサリアム(ETH)は24時間で7%超下落し、1440ドル付近。特に9日午後、ニューヨーク司法長官が暗号資産取引所クーコイン(KuCoin)を提訴、訴状でイーサリアムは証券と主張していることが伝わった後、大きく下落した。

ポリゴン(MATIC)は24時間で約8%、過去7日間で約16%下落し、1ドルを割っている。ソラナ(SOL)は約9%下落し、17ドル付近。今年、概ね20ドル台で推移していたソラナは過去7日間で約20%下落した。

暗号市場全体のパフォーマンスを測定するCoinDesk Market Index(CMI)は4.7%、過去1週間で11.4%下落。株式市場も苦戦し、S&P500は1.9%下落した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Dips Below $21K to Reach Lowest Level In 7 Weeks as Silvergate Bank Shutdown Shakes Investors