ビットコイン、2万5000ドル付近まで回復

ビットコインは、米規制当局が経営破綻したシリコンバレー銀行の預金を全額保護すると発表したことで2万2500ドル付近まで回復した。

価格

●CoinDesk Market Index(CMI):1,052、+8.4%
●ビットコイン:22,482ドル、+9.3%
●イーサリアム:1,614ドル、+9.6%

●S&P500:3,861.59、-1.4%
●ゴールド:1,880ドル、+1.0%

神経をすり減らすような木曜日と金曜日を過ごし、暗号資産投資家は週末、米規制当局が破綻したシリコンバレー銀行(SIVB)のすべての預金を全額保護することを決定し、米サークル(Circle)がUSDコイン(USDC)の準備金に万一問題があった場合もすべてカバーすると発表したことで胸をなでおろした。

ビットコイン(BTC)は当記事執筆時点、24時間で9%以上上昇し、2万2482ドル付近。10日朝には一時2万ドルを割っていた。

「FDICとFRBの勧告を受け、大統領と協議した結果、イエレン財務長官は、FDICがすべての預金者を完全に保護する形でシリコンバレー銀行の破綻処理を完了するための措置を承認した」とイエレン財務長官、パウエルFRB議長、グルーエンバーグFDIC議長は12日朝の共同声明で述べた。

「今日、私たちは銀行システムに対する国民の信頼を強化することにより、アメリカ経済を守るために断固とした措置を取る」(共同声明)

暗号資産運用会社3iQのリサーチ責任者マーク・コナーズ(Mark Connors)氏は、こうした措置について「一見するとリスク資産に優しい」と週次レポートに書いているが、「不確定要素はあまりにも多く、M2は依然として減少している」と警告した。

イーサリアム(ETH)も24時間で9%以上上昇し、1614ドル付近。先週、シリコンバレー銀行の破綻の影響で下落した他の主要暗号資産も週末に反発した。レイヤー1トークンのアプトス(APT)は13%以上、カルダノ(ADA)は11%以上上昇した。市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Indexも8%以上上昇。

USDコイン(USDC)の発行を手がける米サークル(Circle)は11日、シリコンバレー銀行に預けていた33億ドルの現金が全額引き出せなかった場合には「不足分をカバーする」と述べた。USDCは発表前、0.88ドルまで下落していたが、現在は0.99ドル以上となっている。

株式市場は銀行セクターの不安に影響され、ナスダックは 1.8%、S&P500は1.4%下落。S&Pは1週間で5%下落し、2022年9月以来、最悪の週となった。

3iQのコナーズ氏は、顧客資産を守るための措置が長期化すれば「規制のモグラ叩きゲーム」が続き、さまざまな影響の中で、特に銀行業界の統合の継続とステーブルコインへの規制の加速につながると記した。

「結果はまだわからない」と同氏は続けた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:First Mover Asia: Silicon Valley Bank Failure Highlights Small Banks’ Vulnerability; Bitcoin Soars Past $22.5K