ビットコイン、一時2万8000ドル超え

価格

●ビットコイン:28,006ドル、+3.0%
●イーサリアム:1,780ドル、−2.80.2%
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●S&P500:3,916.64、−1.1%
●ゴールド:1,980ドル、+0.5%

ビットコイン、銀行トラブルから脱出

ビットコイン(BTC)は当記事執筆時点、2万8000ドルを超え、24時間で約3%上昇した。日本時間20日14時30分頃には2万7500ドル付近に反落している。

暗号資産フレンドリーな銀行の凋落が暗号資産価格を下落させると思われていたが、事態は想像以上に短期間に回復した。シルバーゲート銀行とシグネチャー銀行が姿を消した後、グローバル金融システムは信頼性にまつわる危機に直面した。そして多くの銀行の流動性の枯渇に悩まされるなか、リスク資産への投資意欲が再燃した。

だがアジアでは、状況は少し異なる。

Flowdeskのアジア太平洋地域担当CEO、デビッド・バチェリエ(David Bachelier)氏は、シンガポールや他のアジア地域はシリコンバレー銀行の破綻など、アメリカの銀行危機の影響をあまり受けていないが、(米銀の破綻によって生じた)ギャップを他行が埋めようとしているかどうかはまだわからないと指摘した。

「シリコンバレー銀行は、多くのアジアの銀行が手がけていなかった、高成長企業への資金提供や他のサービス提供を行う重要なプレーヤーだった」とバチェリエ氏。

「アジアのベンチャー業界にとって重要な瞬間であり、アメリカのプレーヤーの崩壊によって生まれたギャップを埋めるチャンスだ」

アメリカ企業がアジア進出

アジアにとってのシリコンバレー銀行のような存在は、すぐには登場しないかもしれないが、さまざまな銀行が暗号資産企業に向けた資金提供を整備・強化していると同氏は強調した。

「コインベース(Coinbase)が先日発表したシンガポールでの銀行とのパートナーシップについての発表も、アメリカ企業がアジア地域にさらに進出することを浮き彫りにしており、銀行危機による混乱が比較的少ないことを示唆していて興味深い」

だが問題は、今回の上昇がいつまで続くかだ。

BitBull Capitalのジョー・ディパスクァーレ(Joe DiPasquale)CEOによると、ビットコインは3万ドルを試す準備をしているが、ファンダメンタル的にはサポートがないかもしれないという。

「テクニカル分析の観点から見ると、現在の値動きは過熱しており、近いうちに2万5000ドルに向けて調整される可能性がある。市場を大きく動かすのは、間もなく開催される公開市場委員会(FOMC)で、アナリストの大半は最高でも0.25%の金利引き上げが行われると考えている」とディパスクァーレ氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:First Mover Asia: Bitcoin Is Being Made Great Again