AI×IoTシステム機器に独自開発のブロックチェーンを搭載した新商品──アステリア

東証一部上場企業のアステリアは8月23日、昨年発表した AI×IoT統合エッジウエアに、 新たに独自開発のブロックチェーンを搭載した「Gravio3(グラヴィオ3)」を発表、提供を開始した。AIによる認証機能も新たに追加、利用企業が来客の顔認証や車両検知に使えるようになった。 新開発のブロックチェーンを搭載することで、データの改ざん耐性を期待できるようになっている。

独自ブロックチェーンを開発した理由

同社がクラウドを用いずデータをその場でエッジ処理する機能を搭載した「グラヴィオ」を発表したのは2017年6月。昨年10月にはAIを搭載した「グラヴィオ2」を発表、発売している。

あらゆるデバイスがインターネットにつながるIoTの未来では、機器がやり取りするデータの信頼性を確保することが重要になる。ブロックチェーンを用いることでデータに改ざん耐性をつけることができる。

グラヴィオ3には新たに、認証系AIと同社開発のブロックチェーンFidesを搭載。 各グラヴィオハブがノードとなりデータを更新していく。たとえば多くの企業が入居するビルがグラヴィオ3を導入した場合など、複数の利用者が存在するためデータの恣意的な改変を避けられる利点がある。

アステリア代表取締役社長の平野洋一郎氏はブロックチェーンを独自開発した理由について、「他のブロックチェーンも検討したが、メモリや処理能力が少なくてすむスモールフットプリントで動作するノードで使うには不便だった。トークンの送信機能などを抜いて用途特化型のブロックチェーンを独自に新規開発した」などと述べた。

MUFGも取り組むIoT×ブロックチェーン

IoT時代に向けてブロックチェーンを開発する動きは進んでいる。三菱UFJフィナンシャル・グループと米アカマイが合同で、IoT時代の少額決済のネットワークをブロックチェーンで構築しようとしている。ビットコインの少額決済ネットワーク「ライトニングネットワーク」の開発を進める福岡のNayutaは、IoTに適した小型なハードウエアで動作するノードに特化したソフトウエア「ターミガン」を開発した。

文・写真:小西雄志
編集:CoinDesk Japan