米投資家がビットコイン高騰を牽引──機関投資家の需要増加で
  • K33リサーチによると、ビットコインはアメリカの取引時間中に30%上昇し、全取引高の50%を占めた。
  • ビットコインと米国株は負の相関関係になっており、分散化目的でビットコインが購入されたことを示唆している。
  • HashdexのCIOは機関投資家の活動増加について、暗号通貨のアダプション(普及)において「世代交代の瞬間を迎えるかもしれない」と述べた。

機関投資家の活動が加速するにつれ、アメリカの投資家はビットコイン(BTC)の購入に向かっており、最近の上昇を牽引している。

アメリカ取引時間での上昇

暗号資産(仮想通貨)分析会社K33リサーチ(K33 Research)はレポートで、最近のビットコインの価格上昇と取引高はアメリカの取引時間内に集中しており、ビットコインの強さの主な原動力になっていると指摘した。

CoinDeskのデータによると、ビットコインは今年これまでに85%急騰し、ほかのほとんどの暗号資産を上回るパフォーマンスとなっている。この上昇の背景には、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、シタデル(Citadel)などの多くの金融大手がビットコインへの関与を強め、投資家の楽観的な見方に拍車をかけていることがある。

一方、規模の小さい暗号資産は、未登録の有価証券に該当するかどうかの規制当局の監視が強化される中で苦戦している。リスク回避のために人気のある暗号資産の提供を控える取引所も出ている。

ビットコインが1万6000ドル付近の安値に達して以降のアメリカ取引時間中の上昇分は累積で約30%に上り、アジアや欧州の取引時間中の上昇分を大幅に上回っている。ブラックロックが6月14日にビットコインETF(上場投資信託)を申請したことを受け、米国での活動が急増した。

米国株との相関関係がマイナスに

最近のビットコイン急騰では、S&P500やナスダック総合指数などの米国株のパフォーマンスとの相関関係が崩れた。K33リサーチは、ビットコインとこれらの米国株との30日間の相関関係は先週、2021年1月以来初めてマイナスに転じたと指摘した。

K33リサーチのシニアアナリスト、ヴェトル・ルンデ(Vetle Lunde)氏は、ポートフォリオの多様化の一環として「アメリカのトレーダーが特異な理由でビットコインに資金配分していることを示している」と指摘した。

機関投資家の関与が増加

ブラックロックのETF申請は、ビットコイン市場における機関投資家の活動も活性化させた。

K33リサーチのデータによると、暗号資産に精通した投資会社の間で好まれているシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)先物市場の建玉は過去最高値に近づいている。

資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)が今週発表した報告書によると、先週のデジタル資産ファンドへの流入額は1億9900万ドルとなり、ほぼ1年ぶりの最大額を記録。ビットコインに特化したファンドが全流入額の94%を占めたという。

資産運用会社HashdexのCIO(最高投資責任者)を務めるサミール・カーベッジ(Samir Kerbage)氏は、最近の活動は、機関投資家への暗号資産のアダプション(普及)における転換点を示していると指摘。「いずれ、個人の暗号資産投資家にとっての世代交代の瞬間を迎えるかもしれない」と述べた。

カーベッジ氏はさらに、「私たちが目の当たりにしている現在の機関投資家の関心は、過去に見られたような、短期的に価格を押し上げる可能性がある日和見的な『FOMO』(機会を逃すことへの恐怖:fear of missing out)とは程遠い」とし、 「こうした機関投資家はゆっくりと慎重に行動し、長期的に投資する。一度参加したら、その後も参加する」との見方を示した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:林理南
|画像:K33 Research/TradingViewa
|原文:U.S. Investors Are Driving Bitcoin’s Price Surge as Institutional Demand Rises