欧州委員会、メタバース戦略を来週発表──「EUの価値観とルールの尊重を」

リークされた欧州委員会の文書によると、メタバースはオープンで合法的であり続けるために、新しい種類のグローバル・ガバナンスを必要としている。

米CoinDeskが入手した草案では、イノベーションを支援するために規制を緩和することも提案しており、分散型自律組織(DAO)のような新しい形態のデジタル協力に対する法的障壁は何かを検討したいと述べている。

「バーチャルワールドは、多くの社会的分野で前例のない機会をもたらす」と、来週発表される予定の文書では、医療、教育、文化への恩恵を挙げている。「この技術シフトは、新しいグローバル・ガバナンスの形にも関わってくる」。

次世代インターネットが「EUの価値観とルールを尊重し、オープンで安全な空間として形成される」ことを確実にするためには、技術標準、ID管理、検閲、監視などのテーマについて国際的な関与が必要でだと同文書は述べている。

「欧州委員会は、既存のインターネットガバナンス機関の権限を超えているバーチャルワールドとWeb4の本質的な側面に対処するため、技術的なマルチステークホルダー・ガバナンス・プロセスの創設を支援する」と同文書は述べている。

同委員会は、多くの新しい金融アプリケーションを支える分散型自治組織(DAO)など、新しいデジタル協力モデルの可能性を今年末までに探りたいとしており、「その導入を妨げる法的、行政的、経済的障壁を特定する」ための調査を実施するとしている。

来年早々には、緩和された規制のもとで短期的なプロジェクトをテストする「規制のサンドボックス」を推進すると同文書は述べている。同文書はまた、「ゲートキーパー」と呼ばれる大企業がライバル企業との競争を阻害し、模倣品がブランドを弱体化させるリスクについても警告している。

この文書は、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)委員長が昨年9月に約束したもので、委員会関係者は、メタバースがプライバシーや基本的権利といったEUの価値観を維持することを望んでいると述べている。欧州委員会の広報担当者にコメントを求めたが、回答は得られていない。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Matrixport
|原文:EU’s Leaked Metaverse Strategy Proposes Regulatory Sandbox, New Global Governance