ビットコイン、ショートの増加で3万1000ドル上抜けが困難に

ビットコイン(BTC)は今週2度、3万1000ドルを超える足場を築くことに失敗した。Coinalyzeのデータによると、先物トレーダーが上昇を抑えているようだ。

協定世界時(UTC)7月10日午後8時5分に失敗した最初の試みは、価格が3万1040ドルの高値を記録した後、同午後9時55分までに3万200ドルまで急速に後退した。未決済建玉、あるいはビットコインに結びついたステーブルコインのマージン(またはリニア)先物の有効契約数は、価格が3万1040ドルから下がるにつれて、およそ23万BTCから24万2000 BTCに上昇した。

価格の下落に伴う建玉の増加は、市場に弱気なショートポジションが流入していることを示すと言われている。先物のショートポジションは、原資産価格の下落から利益を得る賭けのことだ。

「価格の動きは、3万1000ドルに近づくにつれてショートが積み上がっていくことを示唆している」と、暗号資産流動性ネットワークParadigmは11日に発表されたマーケットアップデートで述べ、価格が3万1040ドルから下降に転じた際に建玉が増加したことに注意を促した。

BTC/USDT 無期限先物5分足ローソクチャートとステーブルコイン・マージン契約建玉の集計。(Coinalyze)

同様のパターンは12日にも見られ、アメリカ消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め継続の根拠が弱まった。

ビットコインは協定世界時12時半にアメリカ労働省がCPIを発表した直後に3万1000ドルの高値をつけたが、その後1時間で3万500ドルまで下落した。

この反落は、ステーブルコインを対象とする先物取引の建玉の増加を再び伴っていた。

3万1000ドル付近での弱気な動きは、短期的に注意すべき重要なレジスタンスとしてそのラインを際立たせている。米CoinDeskのデータによると、記事執筆時点でビットコインは3万350ドル付近で取引されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Coinalyze
|原文:Bitcoin Breakout Above $31K Elusive as Shorts Pile In