チェーンリンク、主要暗号資産が下落するなか唯一上昇──ビットコインは2万9600ドル付近、XRPも反落

暗号資産(仮想通貨)市場は20日、ビットコイン(BTC)が1カ月にわたる取引レンジの下限付近となるなど、広く下落。一方、チェーンリンク(LINK)は主要暗号資産の中で唯一上昇した。

ビットコインは20日午後に2万9593ドルまで下落、この1カ月の最安値に近づいた。ビットコインは6月21日以降、タイトなレンジ内で推移し、2万9500ドルの水準から何度も反発し、一時3万1809ドルの高値を記録した。

イーサリアム(ETH)も1900ドルを割り、24時間で1%下落(日本時間21日8時頃は1893ドル付近)。

エックス・アール・ピー(XRP)は前日までの大幅な上昇から反落し、24時間で約6%下落。XRPはSEC(米証券取引委員会)との裁判での一部勝訴を受けて、1週間前に約2倍の93セントまで上昇。反落後も79セント付近で推移している。

チェーンリンクは、時価総額トップ40の暗号資産の中で唯一、大幅な上昇を見せた。

一部の大口投資家(クジラ)が600万ドル(約8億4000万円、1ドル140円換算)の買いを行い、チェーンリンクは15%上昇して約3カ月ぶりに8ドルを超えた。今週、チェーンリンクはブロックチェーンと銀行間の通信を容易にする相互運用性プロトコルをリリースし、SWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)がテストを行った。

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暗号資産市場全体のパフォーマンスを表すCoinDesk Market Index(CMI)は、24時間で1.26%下落。

暗号資産投資家はハイテク株の下落を懸念したかもしれない。ナスダック100指数(NDQ)は日中2%下落し、投資家はテスラとネットフリックスの四半期決算にネガティブな反応を見せた。

暗号資産価格は、ハイテク株の多いナスダック100指数のようなリスク資産と高い相関を見せたこともあるが、その関係は今年に入って揺らいでいる。

「数週間にわたる大幅上昇の後、投資家は利益確定とリバランスを行い、全般的にリスクオフが続いているようだ」と投資会社Gerber Kawasaki Wealth & Investment Managementのディレクター、ブレット・シフリング(Brett Sifling)氏はCoinDeskに語った。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk Indices
|原文:Chainlink’s LINK Pops 15%, XRP Loses Steam as Bitcoin Revisits $29.6K Range Lows