カルダノ・ブロックチェーンのトランザクション、前四半期比で49%増加
  • カルダノのトランザクションは、今年初めにいくつかのアップグレードが稼働し、ユーザーと開発者の両方がネットワークに魅了されたことで上昇した。
  • このような指標は通常、トークン価格の上昇に先行し、需要と利用が拡大していることを示す。

カルダノ(Cardano )・ブロックチェーンの活動は、技術的な改善と開発者の関心の高まりを背景に、前四半期比でロックされた価値と取引指標の両方で増加したことが、分析会社メッサーリ(Messari)のレポートで明らかになった。

分散型取引所(DEX)のMinswapが最大の絶対的成長を示した一方で、いくつかの新しい分散型アプリケーション(Dapps)も増加に貢献したとメッサーリは述べている。

カルダノの開発者であるInput Output Global(IOG)の委託で作成されたこのレポートは、第2四半期の動向を第1四半期の数値と比較している。それによると、取引アクティビティは増加したものの、1日のアクティブユーザー数は4%減少しており、これは過去5四半期で4回目のアドレスアクティビティの減少だ。

「トランザクションとアクティブアドレスの比率は過去5四半期にわたって着実に増加しており、平均的なユーザーが以前よりもアクティブになっていることを示唆している」とレポートは述べている。「第2四半期のトランザクション/アクティブアドレス比率は1.19で、前四半期比6.1%増、前年同期比13.2%増だった」。

ブロックチェーンの負荷(一定期間のブロックにどれだけのデータが含まれているかを示す指標)は、前3カ月の40%以下から50%に上昇した。ピークは5月の81%だった。

DefiLlamaのデータによると、8月7日の時点で約1億7500万ドル(約249億円)相当のトークンがカルダノにロックされており、これは今年最高レベルだが、それでも2022年5月に記録した過去最高の3億4000万ドル(約484億円)を約50%下回っている。

このような動きは、今年に入ってからのカルダノの主要なアップグレードを背景にしている。

6月には、エポックの遷移を減らし、ネットワークのユーザーにとってブロックチェーンをよりスムーズにする変更が行われた。エポックとは、カルダノ上の時間を指し、1エポックは43万2000スロットで、1スロットは1秒だ。

カルダノのトークン、ADAは、これらのエポックの間にステークされ、カルダノ・ネットワーク上で新しいブロックが生成される。ブロック報酬が活動に基づいてより魅力的になると、トークンの需要が高まる可能性がある。

3月には、Milkomedaというネットワークの機能が実装された。Milkomedaは、ブロックチェーンをイーサリアム・バーチャル・マシン(EVM)に接続するネットワークで、カルダノ・ブロックチェーンのユーザーは、任意のカルダノ(ADA)ウォレットでEVMスマートコントラクトにアクセスできるようになり、エコシステムの有用性が拡大した。

EVMは、すべてのイーサリアムアカウントとスマートコントラクトが存在する場所であり、開発者がDappsを作成するために使用する仮想コンピュータとして機能する。

この新機能により、イーサリアムのアプリケーション開発者は、新しいツールキットをインストールしたり、新しいコンピュータ言語を学んだりすることなく、Solidity(イーサリアムのコーディングに使用されるコンピュータ言語)を使用してカルダノのネットワーク上にアプリケーションを構築できるようになる。

このようなアプリケーションは、イーサリアムネットワークのネイティブトークンであるETHではなく、代わりにカルダノ(ADA)を使用することができ、トークンの保有者にとっての有用性が高まる。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:カルダノはアップグレードによってブロックチェーンの動きが活発化している。(Danny Nelson/CoinDesk)
|原文:Cardano Blockchain Transactions Jumped 49% Last Quarter as ADA Sentiment Grew