トークン化は債権市場の効率性を向上させる──香港金融管理局(HKMA)がレポート

トークン化(Tokenization)──現実世界の資産(現実資産:RWA)をブロックチェーンベースのトークンに変換すること──は、債券市場の効率性、流動性、透明性を高める可能性があると香港金融管理局(HKMA)は24日、レポートで述べた。

2月、HKMAと香港政府は1億ドル(約145億円、1ドル145円換算)のグリーンボンド(環境債)をトークン化して発行。レポートはその結果を受けたものだ。

トークン化は暗号資産の基盤となっているブロックチェーン技術の応用の一例に過ぎないが、金融および非金融のインフラやマーケットを変革する可能性があると捉えられている。

今後のトークン化に向けた大きな成功例

「発行は、香港の既存の法的枠組みのもとで、リアルな資本市場取引に分散型台帳技術(DLT)を導入できる可能性を示した。また、債券市場の効率性、流動性、透明性を高めるDLTの可能性も示した」(レポート)

さらにレポートは、今回のトークン化債券は「香港での同様の発行の可能性」に向けた青写真になり、HKMAはさらなる応用を模索し、プラットフォーム間やシステム間での分断の問題に対処しつつ、債券市場におけるトークン化の推進に向けて香港の法的・規制的な枠組みを強化する意向と続けた。

「HKMAは政府と連携して、業界とともにさらなるトークン発行を実施し、この分野の発展を促進する」と、レポートとともに発表されたリリースには書かれている。

HKMAは少なくとも2021年以降、グリーンボンドのトークン化を模索している。

|翻訳:清水マキ
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Tokenization Could Improve Bond Market Efficiency, Hong Kong Regulator Says