ビットコイン、2万6000ドルを回復──前日の急落から反発

ビットコイン(BTC)は9月12日のアジア取引時間中に2万6000ドルを超えて急騰し、2万5000ドルを下回る3カ月ぶりの安値まで下落した11日から反発した。

この動きはショートスクイーズ(弱気なデリバティブベットの巻き戻しによる上昇)と表現するのが最も適切だろう。

価格が急騰したため、バイナンス(Binance)、バイビット(Bybit)、OKX、デリビット(Deribit)で取引されている先物および永久スワップの累積建玉は、50億5000万ドル(7322億5000万円、1ドル=145円換算)から48億ドル(6960億円)に減少した。建玉とは、アクティブ・ポジションまたはオープン・ポジションの数にロックされたドル価値を指す。

ビットコインの価格チャート。(CoinDesk/Highcharts.com)

建玉の減少は、同時期に資金調達率がプラスに転じたため、空売り勢が弱気の賭けを放棄したことに起因しているようだ。

資金調達率とは、永久スワップ(期限のない先物)で強気または弱気の賭けを保持することに関連するコストを指す。マイナスのレートはレバレッジが弱気側に偏っていることを意味し、プラスのレートはそうでないことを示唆している。

「これは教科書的なショートスクイーズだ」と匿名のトレーダーでアナリストの@52kskew氏はX(旧Twitter)で述べた

ビットコインとアルトコインは11日、破産した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXからの潜在的な売り圧力への懸念が市場心理を動揺させ、下落した。

建玉が減少し、資金調達率がプラスに転じたため、価格は上昇した。(Velo Data)

印象的ではあるが、この2万5000ドルの重要なサポートからの価格回復は、即時の強気カタリストがないため、上限が制限される可能性がある。ビットコインスポットETFへの楽観的な見方は薄れ、FTXが保有するアルトコインの清算が目前に迫っていることに注目が集まっている。

一部のオブザーバーによると、価格が50日単純移動平均(SMA)の下に維持されている間、バイアスは弱気のままである。

「全体として、トレンドは下降しており、弱気心理を示している」と暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダーのマトリックスポート(Matrixport)のリサーチ・戦略責任者のマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk/Highcharts.com
|原文:Bitcoin Short Squeeze Lifts Prices Back to $26K