トークン化米国債の時価総額、年初から7倍の約7億ドルに

トークン化された米国債は今年、年初から約7倍に成長している。

実物資産(RWA)モニタリング・プラットフォームのRWA.xyzによると、トークン化米国債市場は、年初の約1億ドルから10月30日時点には6億9800万ドル(約1050億円)まで成長した。RWA.xyzの共同設立者チャーリー・ユー(Charlie You)氏は、成長は既存プラットフォームの成長のみならず、新規参入によって拍車がかかったとニュースレターで述べた。

RWA.xyzのデータによると、Ondo Finance、Maple、Backedといった既存プラットフォームはこの数カ月で大幅な伸びを見せた。一方、TradeteqやTrueFiのAdatp3rなど、9月にスタートしたばかりの新しいプロトコルも、それぞれ450万ドル、850万ドルを集めた。

ブロックチェーンのデータをみると、イーサリアム(ETH)は最近、トークン化国債の時価総額がステラルーメン(XLM)を抜き、後発のポリゴン(MATIC)とソラナ(SOL)は合計で4000万ドル以上の資産を集めている。

「これは、トークン化資産のブロックチェーンが多様化していることを示している」とRWA.xyzのユー氏。パーミッションレスで利回りの高いトークン化資産は、新たな投資手段として注目を集めているという。

米国債のトークン化は、現実資産(RWA)トークン化の先陣を切っている。暗号資産投資家は、DeFi(分散型金融)の利回りが低下し、世界的に金利が上昇しているなかで、より高い利回りを獲得するためにRWAのトークン化に期待している。

暗号資産投資プロダクトを手がける21.coはレポートで、トークン化資産市場は今後10年間で10兆ドル(約1500兆円)規模に成長する可能性があると述べた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN
|画像:トークン化米国債の時価総額(RWA.xyz)
|原文:Tokenized U.S. Treasury Market Grows Nearly 600% to $698M as Crypto’s RWA Race Intensifies