「クリプトキティ」の開発会社、約12億円を調達 ── 新たなブロックチェーン立ち上げへ

ワーナーミュージックはデジタル猫収集アプリ「クリプトキティ(CryptoKitties)」の開発会社ダッパー・ラボ(Dapper Labs)と協力し、「フロー(Flow)」という新たなブロックチェーンを開発している。

2019年9月12日(現地時間)のフォーブスによると、ダッパー・ラボはこのプロジェクトの資金として、ワーナーからの投資も含め1100万ドル(約12億円)を調達した。ラウンドはアンドリーセン・ホロウィッツが主導し、ユニオン・スクウェア・ベンチャーズ(Union Square Ventures)、デジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)、ベンロック(Venrock )、アコンプリス(Accomplice)といった大手ベンチャーキャピタルも参加した。

ベンロックのデイビッド・パックマン(David Pakman)氏は、フローは特定のゲームの使用を想定しているとCoinDeskにメールで語った。

「イーサリアムと、その他ほぼすべてのレイヤー1のスマートコントラクト・プラットフォームは、支払いなどのトランザクション向けに拡張可能なネットワークを構築しようとしている。分散型ゲームと暗号収集といったものは、シャーディングでは基本的に解決しない、ブロックチェーンにおける異なるスケーリング要件を必要とする。だからこそダッパーは分散型ゲームを数千万ものユーザーまでスケールできるようにするためにフローを開発している」

パックマン氏は、ワーナーやNBAといった大手ブランドが参加し、そのファンを連れて来るのであれば、コレクティブルズ(収集)業界は専用に構築されたブロックチェーンが必要と述べた。

ダッパー・ラボは2018年のベンチャーラウンドで1200万ドル(約13億円)を調達して親会社Axiom Zenから独立。その年の後半にはさらに1500万ドル(約16億円)を調達し、多くのファンドと取り引きを行った。

開発者向けに構築

CoinDeskが入手した技術手引書によると、フローは特に「コンポーザビリティ」を重視して設計され、開発者はまったく別のアプリケーションのコードを使うことができる。

「フローは、開発者がお互いのコードの上に安全に簡単に構築することを可能にし、まったく新しい製品やサービスを加速的なペースで作り出す。『コンポーザビリティ』として知られる、このブロックチェーンの機能はソフトウエア開発の新たなアプローチを解き放つ可能性がある」

イーサリウムはネットワーク容量への需要の高まりに応えるため、徐々に発展してきた。同時にカデナ(Kadena)イオス(EOS)ハーモニー(Harmony) といったスマートコントラクト機能を備えた新しいブロックチェーンが登場し、仮にイーサリウムが「世界のコンピューター」になるというゴールに到達できなければ、ユーザーを奪い取ろうとしている。フローはそのラインナップに最後に参加したが、最初にコレクティブルズ(収集) を強調した。

また注目すべきは、このラウンドはユニークな仕組みになっていた。支援者は当初、のちにチェーンで使えるトークンに転換できる証券を受け取った(いつものようにSECの承認は保留されている)。これはいわゆる転換社債に似た仕組み。

すべて順調に行けば、ダッパー・ラボは2020年にフローのローンチを計画している。

翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Photo of Kim Cope, product lead at Dapper Labs, from Consensus 2019 (CoinDesk archives)
原文: https://www.coindesk.com/cryptokitties-creator-raises-11-million-from-warner-a16z-to-launch-own-blockchain