セレスティアの競合アベイル、スタークウェアと契約を締結──ブロックチェーンデータ競争が激化

データ可用性ソリューションを提供するアベイル(Avail)が、来年に始まる新しいネットワークで重要な役割を果たすことでトップ開発者のスタークウェア(Starkware)と合意に達した。アベイルは、イーサリアムブロックチェーンのエコシステムでデータソリューションを提供する競争においてセレスティア(Celestia)と競合している。

マダラ使用のチェーンにデータ可用性を提供

20日に明らかにされた契約に基づき、アベイルは、分散型シーケンサーであるスタークウェアのマダラ(Madara)を使用して構築された新しいアプリケーションチェーンに「データ可用性」ソリューションを提供することになる。スタークウェアは、イーサリアムエコシステムの主要なレイヤー2ブロックチェーンであるスタークネット(StarkNet)の主要開発者だ。

シーケンサーは、ユーザーからのトランザクション(取引)をまとめてメインのイーサリアムブロックチェーンに渡すレイヤー2ネットワークの重要なコンポーネント。

まだテストネット段階のアベイルは来年第1四半期にメインネットに移行する予定であり、マダラは第2四半期に稼働する予定。

モジュラー型ブロックチェーンで重要

大量のトランザクションデータを生成する新しいレイヤー2ネットワークのコストを大幅に削減するように設計されているため、データ可用性ソリューションはイーサリアムエコシステム内でより幅広い信頼を得るようになっている。こうしたシステムは、業界が「モジュラー型」ブロックチェーンに傾倒する中核となっており、開発者は万能型のアプローチから、個別のコンポーネントを接続してさまざまな機能を実行できるアラカルトモデルに移行しつつある。

スタークウェアによると、マダラのシーケンサーを使用すると、カスタマイズ可能なアプリケーションチェーンである「アプリチェーン」、さらには「レイヤー3」ブロックチェーンの作成が可能になる。アプリチェーンでは、新しい小規模ネットワークを構築する人が、すでに設定されたプロパティを持つ既存のネットワークに依存するのではなく、独自のコンポーネントや機能を選択できる。

開発者は7月のブログ投稿で、「マダラは開発者に対して、選択できる幅広いデータ可用性スキームを提供する」と述べた。

セレスティアと競合

アベイルの主な競合相手であるセレスティアは10月にメインネットに移行しており、それ以来、データ可用性ソリューションをレイヤー2開発者のポリゴン(Polygon)やアービトラム(Arbitrum)が利用できるようにする契約を締結した。アベイルは以前はポリゴンラボ(Polygon Labs)の一部だったが、3月に独立した。

コスト削減に加えて、速度によってさらなるメリットが得られる可能性があるとチームは主張している。CoinDeskが確認したプレスリリースによると、アベイルのデータ可用性レイヤーを使用すると、マダラのロールアップは約1分でファイナリティ(決済完了)を達成できるようになるという。

アベイル創設者のアナラグ・アルジュム(Anurag Arjun)氏はCoinDeskへの電子メールで、「我々は、スケーラブルで分散型の、手頃な価格のデータ可用性を可能にするという共通の関心により、データ可用性インターフェースを開発するスタークウェアとマダラの両チームと非常に緊密に連携した」と述べた。

アベイルは7月に、オフチェーンでのデータ保全に役立てることを目的としたデータ認証ブリッジをテストネット上にリリースした。

|翻訳・編集:林理南
|画像:アベイル創設者のアナラグ・アルジュム氏(Avail)
|原文:Celestia Rival Avail Inks Agreement With Starkware as Blockchain Data Race Heats Up