ビットコインマイニング聖地の中国・内モンゴル自治区、10月までに違法業者締め出しへ

中国の内モンゴル自治区は、10月までに「違法な」ビットコインマイニング事業を撲滅するための捜査を実施している、と政府広報担当者がCoinDeskに語り、現地報道について認めた。

捜査計画の詳細を記した公式文書が中国メディアに流出し、内モンゴル自治区当局による命令の画像が掲載された。

この計画立案に関係する業界幹部によれば「本捜査は、地方政府が開始した単独のものではなく、中央政府が指揮するものだ」という。

同筋は「この動きはビットコインマイニングの全国的な廃止計画を反映している」と付け加えた。政府が2019年4月に提案した計画は、最終承認を待っているが、デジタル通貨マイニング産業を中国から締め出すことになっている。

10ページにわたるこの文書によると、ビットコインマイナーや未登録のビットコインマイニング事業者のための施設を提供していたデータセンターは閉鎖される。

今回の強制捜査を指揮する当局は、ビッグデータ企業やクラウドコンピューティングホスト等の認可されたユーザーを装って、電気料金や税金の優遇措置を得ようとするビットコインマイニング事業者を対象にする。

検査に合格した既存のビットコインマイニング事業者は「有限会社」に分類され、発電所と直接交渉せず、公定電力料金を支払うことになる。それでも、近い将来、マイニング事業の操業停止が予想される。

広域で行われるこの取り組みは2段階で実施されており、地方自治体は9月3日から9月25日まで検査を実施する。その検査結果を地方政府に報告し、地方政府は各管轄の検査結果に関して、10月10日から10月20日まで、調査チームを編成して調査を行う。

中国北部に位置する内モンゴル自治区は、安価な電力供給、低い地価、寒冷な気候、人口の少なさなどから、ビットコインマイニング事業に最も適した地域の一つだ。

このような条件は、マイナーにとって最大のコストである電力コストを削減し、設備をより迅速に冷却し、作業機械の騒音が迷惑になるであろう人口密集地域を避けることに役立つ。最大のビットコインマイニング企業の一つであるビットメイン(Bitmain)は、この地域で事業を行ってきた。

中国は、経済計画の主要政府機関である国家発展改革委員会(NDRC)が2019年4月に草案を提出する前に、ビットコインマイニング事業の取り締まりを開始した。

NDRCの見解は、マイニング産業は中国の将来の経済発展計画に合わないため、中国から撤退すべきであることを示した。中国では、より広範な通貨規制の一環として、仮想通貨の取引や保有は違法だが、闇市場では仮想通貨が広く用いられている。

翻訳:新井朝子
編集:T.Minamoto
写真:Image via Shutterstock
原文:China’s Inner Mongolia to Shutter ‘Illegal’ Bitcoin Miners by October