中国・内モンゴル自治区、暗号資産マイニングの禁止案

中国・国家発展改革委員会(NDRC)の内モンゴル自治区支部は、地方当局が同地域での暗号資産マイニングを取り締まるためのガイドライン案を発表した。

ガイドラインは、NDRCが2月25日に発表した通知の実施に向けた内モンゴル自治区の取り組みの一環。2月の通知では、環境面への懸念と、中国が国家目標に掲げる二酸化炭素の排出量削減に暗号資産マイニングが悪影響を及ぼしていることを理由に、地方当局は暗号資産マイニングを排除するとしていた。

NDRCは5月25日から6月1日まで、このガイドラインに対するパブリックコメントを求めており、計画はまだ実行されていない。

今回の動きは、5月21日の中国国務院・金融安定発展委員会からの通達が契機にもなっている。NDRCは「国務院・金融安定発展委員会からの通達により、我々は暗号資産マイニングの禁止を厳格に実施し、より重い罰則でマイニング業務の取り締まりを行う」と述べた。

ガイドラインは、内モンゴル自治区でのみ実施されるが、政府機関やNDRCが国務院からの取り締まり通知を、どう実施していくかを理解する手がかりになるだろう。

インターネットカフェも対象に

ガイドラインには、特定の企業や個人を監視し、処罰するための8つの具体策が示されている。工業団地のデータセンター、マイナー(マイニング事業者)にサービスを提供しているクラウド、データ、通信会社をはじめ、同地域で暗号資産マイニングに関与している企業や個人がターゲットだ。

また大規模なマイニングに関与している企業のほかに、インターネットカフェもガイドラインに含まれている。

2019年9月に同地域で行われた前回の取り締まりに比べると、今回の通達は、マイニングに関わる可能性のある企業や個人を幅広く対象にしており、包括的なアプローチをとっている。

前回の取り締まりは、データセンターをターゲットを絞ったもので、マイニングを段階的に停止するための猶予も与えられていた。また、エネルギー消費の多い産業の発展を抑制するという国家的キャンペーンの一環でもあった。

重要な問題は、地方当局がガイドラインに従って実際に禁止を実施するかどうかだと、暗号資産ウォレットのBalletと中国の暗号資産取引所BTCCの創業者、ボビィ・リー(Bobby Lee)氏は25日、米CoinDeskが主催するカンファレンス「Consensus 2021」で発言した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:内モンゴル自治区の首府フフホト市(Shutterstock)
|原文:Inner Mongolia Outlines How It May Ban Crypto Mining