バイナンスUS登録スタート、ニューヨーク州など13州は除外

仮想通貨取引所バイナンス(Binance)のアメリカ部門は2019年9月18日(現地時間)、登録と入金を開始した。

バイナンスUSは当初、6種類の仮想通貨のみを取り扱う ── ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、テザー(USDT)だ。同取引所は認可が下り次第、「その後の数週間」で取り扱う仮想通貨を追加できると考えている。

注目すべきは、バイナンスが最近ローンチしたドル連動のステーブルコイン「バイナンスUSD(BUSD)」はサポートされないことだ。

この新しい取引所のローンチの前、2019年6月にはグローバルプラットフォームである「Binance.com」のアメリカ在住ユーザーが取り引きを禁止された。当時、同社はその禁止理由を明らかにしなかった。だが、ほぼ間違いなく規制上の懸念によるものだろう。

9月17日の登録開始についてのブログ投稿で、バイナンスUSのCEO、キャサリン・コーリー(Catherine Coley)氏は、アメリカでの展開はローンチ時には13州がサポートされないが「徐々に」進むと述べた。同氏は7月にリップル(Ripple)を辞め、バイナンスに参加した。

13州にはニューヨーク州、フロリダ州、テキサス州が含まれている。以前、アメリカ在住者がBinance.comの使用を許可されていた時、取り引きが禁止されていたのは6州のみだった。

「今回、私が育ち、教育を受けた州でバイナンスUSを提供できないことはとても残念、だが開始当初だけなので安心してほしい。我々の多くが故郷と呼ぶ、そうした州の皆さんにアクセスを提供することは我々の使命」

ブログはまた、取り引き手数料についても触れた ── 手数料は新たな入金で十分な流動性が得られた後に課されるようになる。

手数料の仕組みは「分かりやすい」とされており、コーリー氏は、個人口座は取り引きごとに0.10%の固定手数料がかかり、法人口座の手数料は取引量に応じて変わると述べた。しかし2019年11月1日までは手数料は無料。

すでにBinance.comに預入金があるユーザーも、バイナンスUSに自動的にお金が移動するわけではないとコーリー氏は述べた。バイナンスUSはBAMトレーディングサービス(BAM Trading Service)が別事業として運営することを同氏は理由にあげた。BAMトレーディングサービスはアメリカで財務相の金融犯罪捜査網(Financial Crimes Enforcement Network:FinCEN)に登録されている。

バイナンスUSは保険でユーザーの預入金を保護するのかという自らの質問に対してコーリー氏は次のように述べた。

「バイナンスUSはセキュリティーを重視している。我々は顧客保護を優先し、顧客を盗難やハッキングから守るための対策を講じている」

バイナンスUSが「Secure Asset Fund for Users(SAFU)」を提供していることで知られるバイナンスと同様の保護スキームを提供するのか否かは分からない。5月に4070万ドル(約44億円)がハッキングされた際には、影響を受けたユーザー全員への返金にSAFUが使われた

翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Binance logo image via Shutterstock
原文:New York Among 13 States Excluded as Binance.US Opens for Registrations