ホームエクイティローンとは、住宅の評価額から住宅ローンなどの借入残高を引いた純資産価値(あるいは残存価値=エクイティ)を担保にした融資のこと。米Homiumは、アバランチ(Avalanche)ブロックチェーンを基盤にホームエクイティローンをトークン化した金融商品の提供を開始した。
不動産を担保にしたモーゲージローン(いわゆる住宅ローン)のなかで、住宅購入のためのローンは、ファーストモーゲージローンと呼ばれ、それ以外はセカンドモーゲージローンと呼ばれる。ホームエクイティローンは、セカンドモーゲージローンの代表例だ。
ホームエクイティローンのトークン化は、いわゆる「現実世界(RWA)のトークン化」の一種と位置づけることができる。RWAのトークン化市場は今、世界中で広がりを見せ、10年で10兆ドル(1500兆円、1ドル150円換算)規模に成長するとの予測もある。
日本では、不動産をはじめとする実物資産や株式・債券などの有価証券をブロックチェーン技術でトークン化したセキュリティ・トークン(デジタル証券)市場が、世界に先がけて拡大しつつある。その発行累計金額は、3月31日時点で約1200億円にのぼる(CoinDesk JAPAN ST銘柄一覧合計)。
Homiumは現在、米コロラド州で営業しており、他の州にも拡大する予定。このトークン化商品は、住宅価格の上昇からリターンを得るもので、住宅所有者は価格上昇が期待される住宅の一部を担保として融資を受け、投資家、つまりローンに資金を提供する人たちは、エクイティ(住宅の純資産価格)の上昇に連動したトークン化資産を受け取る。
プレスリリースによると、同社の目標は、ホームエクイティの可能性を解放し、住宅取得にまつわるさまざまなケースにおける問題に対処することという。Homiumはまた、ホームエクイティに裏づけられたデジタル証券を通して、機関投資家に投資可能な新しい資産を提供している。
賃貸マンションやホテルの収益を裏付け資産とする日本の不動産セキュリティ・トークン(デジタル証券)と似た仕組みの金融商品と言えるだろう。
「Homiumは、機関投資家にとって価値ある、新しい資産クラスを開発し、機関投資家のコアポートフォリオにインフレとは無相関で、インフレに強い、新たなリターン源を提供している」とHomiumのCEO、トミー・マーセイン(Tommy Mercein)氏は語っている。
同社はまた、ソレンソン・インパクト・グループ(Sorenson Impact Group)とアバランチエコシステムのファンドであるブリザード(Blizzard)が主導するシリーズAの資金調達ラウンドで1000万ドル(15億円、1ドル150円換算)を調達している。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Homium Raises $10M and Tokenizes Home Equity Loans on Avalanche