6月末までにイーサリアム5000ドル超の確率は20%──オプションデータが示唆
  • DeFiオプションプラットフォームのライラによると、6月末までにイーサリアムが5000ドルまで上昇する可能性が20%ある。
  • トレーダーは今週、権利行使価格5000ドル以上のイーサリアム・コールを買い占めている。

イーサリアム(ETH)の価格が来月末までに5000ドルまで上昇する可能性が20%あることが、分散型オプションプラットフォームのライラ・ファイナンス(Lyra Finance)のデータで示された。CoinDeskのデータによると、前回の強気相場では4692ドルがピークだった。

新記録を達成するためには、イーサリアムは現在の3740ドル付近から約25%上昇する必要がある。これは、アメリカ証券取引委員会(SEC)がスポット上場投資信託(ETF)を承認するという突然の楽観論によって拍車をかけられた今週の20%以上の急上昇を上回る。

「ライラのオプション市場は、ETHが6月28日までに5000ドルに到達する確率が20%だと示している」と、ライラの創設者で元ウォール街のオプショントレーダーであるニック・フォースター(Nick Forster)氏は、電子メールでCoinDeskに語った。「トレーダーがETFへの投機でポジションを増やしたため、ETHが7月26日までに5500ドルを超える可能性が20%はあるだろう」。

ライラは、スポット、パーペチュアル、オプション取引のための分散型決済プロトコルだ。DeFiLlamaによると、過去24時間で、このプロトコルは133万ドル(約2億円、1ドル=155円換算)の暗号資産オプション取引高を記録し、208万ドル(約3億2000万円)の世界の分散金融(DeFi)オプション取引総額の50%以上を占めた。ライラのトレーダーは、ビットコイン(BTC)の第1四半期の上昇と4月の7万ドル付近のピークを正確に予測していた。

オプションとはデリバティブ契約のことで、現在合意されている価格で将来原資産を売買する柔軟性を保有者に与えるものだ。コール・オプションは買う権利を、プット・オプションは売る権利を提供する。トレーダーは通常、価格の上昇から利益を得たり、価格上昇をヘッジしたりするためにコールオプションを購入し、価格下落が予想される場合にはプットを好む。

今週、ライラのトレーダーたちは、6月と7月に満期を迎えるイーサリアムのコール・オプションを5000ドルを超える行使価格で買い、強気の見通しを明らかにした。

「イーサリアムのETF承認は、ビットコインの場合よりも大きな影響を与えるはずだ。ETHはBTCの約3分の1の時価総額からスタートする」とフォースター氏は指摘する。「トレーダーはETFの承認イベントを利用し、(ロングサイドで)清算を受けることなくボラティリティの高い市場に備えるため、オプションの取引高が増えるはずだ」。

ライラにおけるコールの偏りは、デリビット(Deribit)のような主要な集中型オプション取引所における動きと一致している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether Has 1 in 5 Chance of Tapping $5K by End-June, DeFi Options Protocol Lyra Says