ブラックロックからブロックチェーンへ——進む金融業から仮想通貨業への転身

仮想通貨ウォレットとデータを提供するブロックチェーン(Blockshain)社は、典型的な金融業界のベテランを採用した。

ハワード・サーロフ(Howard Surloff)氏は、経営陣初のゼネラルカウンシルとして同社に加わった。経営陣には他にも、同社の社長兼最高法務責任者のマルコ・サントーリ(Marco Santori)氏が名を連ねる。

ブロックチェーン社のプレスリリースによれば、サーロフ氏は、米資産運用大手のブラックロック(BlackRock)と大手金融グループ、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)で合わせて25年の幹部経験を持っている。

サーロフ氏は今までのキャリアをすべて従来型の金融業界で積んできたが、仮想通貨の規制フロンティアにおいて先導的役割を果たすのに役立つ力を備えていると自身で考えている。「私が働いてきたのは実質的に、各組織におけるスタートアップです」と、サーロフ氏はCoinDesk宛てのメールで語った。

サーロフ氏は、ブラックロックの上場投資信託(ETF)部門iシェアーズ(iShares)において、次席ゼネラルカウンシルやグローバル最高執行責任者といった役職を務めてきた。さらに同社の複数の主要委員会にも名を連ね、ブラックロックによる13件の買収を助けてきた。

ブラックロック社の前には、ゴールドマン・サックスのマネージングディレクターとゼネラルカウンシルとして、1000を超える投資商品の法務戦略とストラクチャーを監督した。担当した商品には、アメリカの投資信託、ヘッジファンド、プライベート・エクイティ・ファンド、デリバティブ、マネーマーケットファンドなどが含まれる。

ブロックチェーン社は、個人と企業を顧客としており、先日「ピット(The PIT)」と呼ばれる超高速取引が可能な仮想通貨取引所をローンチした。同社はライトスピード・ベンチャー・パートナーズ(Lightspeed Venture Partners)や、グーグル・ベンチャーズ(Google Ventures)といった投資家から、7000万ドル(約75億2000万円)以上の資金を調達した。2018年には、スプリングリーフ・ホールディング(Springleaf Holding)のマクリナ・クギル(Macrina Kgil)氏を最高財務責任者に迎え入れた。

サーロフ氏は、仮想通貨には新しい投資商品という以上に、より実際世界に役立つ有用性があるとして、次のように述べた。

「友達にお金を返すことのような小さなことから、仲介業者を通さずに世界中に送金することまで、応用範囲は非常に幅広いです」

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:CEO Peter Smith and General Counsel Howard Surloff image via Blockchain
原文:Ex-BlackRock Exec Joins Wallet Provider Blockchain as General Counsel