
3月6日夜、Japan Fintech Week(JFW)連携イベントとして、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)とCoinDesk JAPANは「Digital Assets Night : JCBA x CoinDesk JAPAN」を開催。スペシャルセッションのゲストとして登壇した塩崎彰久議員が、自由民主党デジタル社会推進本部web3ワーキンググループ(web3WG)が6日夕方に公表したばかりの新提言「暗号資産を新たなアセットクラスに 〜暗号資産に関する制度改正案の概要〜」(案)について解説した。ここでは、その全文を紹介する(ただし、セッションは英語で行われたため、編集部で翻訳・編集している)。
関連記事:「暗号資産を新たなアセットクラスに」金商法への移行、分離課税を提言──意見・提案も募集:自民党web3ワーキンググループ
◇◇◇
提言について誰かが公の場で語るのは今回が初めて。皆さんはとてもラッキーだ。提言のタイトルは「暗号資産を新しい資産クラスに」(Making Cryptocurrency a New Asset Class.)だ。
業界関係者の皆さんならおわかりと思うが、かなり大胆な主張になっている。暗号資産は本当に資産なのかという懐疑的な見方もあるからだ。しかし、日本の暗号資産口座数は1200万を超えたことを考えると、我々はすでにマスアダプションの段階に近づきつつあり、暗号資産を新しい資産クラスとして受け入れるべきであり、また受け入れる準備はできている。
提言を簡単に説明すると、従来、暗号資産は決済手段として分類され、資金決済法で規制されてきた。しかし、我々は暗号資産の規制を金融商品取引法に移行することを提案している。
ただし、有価証券として分類するのではなく、まったく新しい資産クラスとして暗号資産を位置づけようとしている。暗号資産は有価証券に類似した特徴を持っているが、まったく異なる特徴も持っているからだ。おそらくインサイダー取引規制のような消費者保護、投資家保護の法律もおそらく必要だろう。
しかし、開示要件について言えば、暗号資産の発行者に常に適切な情報開示を期待できるだろうか? 期待できる場合もあるだろうが、なかには発行者すらいない暗号資産もある。 つまり、暗号資産と有価証券の性質の相違に基づいて、カスタマイズされた規制が適用される必要がある。
そして、これは暗号資産市場関係者から長らく求められている、暗号資産取引についてのキャピタルゲイン課税(訳注:総合課税ではなく、20%の分離課税)導入への道を開くために不可欠な要素だと考えている。我々は、これらの改革により、日本が再び一貫性のある明確な規制枠組みの最前線に立つことを期待している。
最後に皆さんにお礼を申し上げたい。 特に、海外から東京に集まってくださった方々には感謝している。 非常にエキサイティングな業界で起こっていることについて、意見や最新のトレンドを交換できることは、我々にとって非常にエキサイティングなことだ。特に、今週は多くのことが起きている。
また、付け加えると、これはまだ提言にすぎないことだ。まだ固めるべき部分がたくさんある。3月31日まで意見や提案を求めているので、ぜひお寄せいただきたい。世界でも最先端の規制モデルのひとつとなるよう努めたい。
◇◇◇
※web3WGではこの提言についての意見・提案を求めている。募集期間は3月6日〜3月31日。意見・提案はこちらへ。https://forms.gle/pAaFRH52qqBBbAbM6
|文・編集・撮影:CoinDesk JAPAN編集部