
サイバーセキュリティは、暗号資産(仮想通貨)業界はもちろん、全業界、さらには企業のレベルを超えた、国家レベルの重大課題となっている。
暗号資産(仮想通貨)取引所bitFlyer(ビットフライヤー)は3月6日、埼玉県警察職員のサイバー事案対処能力の向上に多大な貢献を行ったとして埼玉県警から感謝状を受け取った。ビットフライヤーは埼玉県警の警察官を受け入れて、最新の知見を取り入れた研修を実施、金融犯罪対策やサイバー犯罪対策の現場に警察官が常駐、連携して対策に取り組んでいる。

感謝状贈呈の後、友成サイバー対策課長は「ここで学んだ者たちが捜査の現場で、十分に能力を発揮してくれることを期待している。またこの縁を大切にして、捜査等の協力もお願いしたい」と述べた。
それを受けて加納CEOは「私どもは金融機関としては、まだ成長過程にある会社。その中で警察の知見を共有させていただくことは非常にありがたく、サイバー犯罪、特に暗号資産関連の犯罪が増えているなか、協力体制を築いて犯罪を防ぎたいという思いがある」「民間企業として警察に協力し、犯罪の減少に貢献していきたい」と応えた。

またその後の取材で、研修の意義について問われた友成サイバー対策課長は「サイバー部門は、技術やサービスの進歩のスピードが速く、先行している民間企業の知見をいかに取り入れて、捜査に生かしていくかがひとつの課題になっている。派遣研修という形は、知識や技術、考え方などを吸収できるうえ、企業側に警察としての捜査の考え方もシェアでき、Win-Winの関係で取り組める」と語った。
昨今のハッキング事件に対するビットフライヤーの対応や取り組みについて加納CEOは「非常に大きな金額が流れている。これはもう、この業界だけの問題ではなく、国の問題になっていると認識している」と述べ、「交換業者のセキュリティについては、当社のノウハウをある程度、当局にフィードバックさせていただき、ルールの変更であったり、規制団体の規則で対応するなど、交換業者が最低限行うべき点について意見交換をさせていただいている」ことを明らかにした。
|文・撮影:増田隆幸