金は調整継続、ビットコインにとって好材料となる可能性
  • 過去数カ月間で一連の記録的な高値を更新した金は、ここ数回の取引セッションで10%近く下落。
  • 一方、ビットコインは再び10万ドルの水準を目指して上昇している。
  • あるアナリストは、戦略的な資産の再配分が進むなか、ビットコインは金よりも優れたヘッジ手段としてパフォーマンスを発揮していると指摘。

先週、金価格がブローオフトップ(急騰からの急落)であったかどうかは定かではないが、ビットコイン(BTC)は恩恵を受けたようで、この傾向は今後も続く可能性がある。

ここ数カ月間で世界で最も好調な資産の1つである金は、トランプ大統領が4月初旬に「解放の日」として関税を導入したあとの数週間で、上昇が新たな高みに達した。

金価格は最終的に、4月21日に1オンスあたり3500ドルを超えた。その時点でビットコインは8万7000ドルで取引されており、解放の日からほぼ横ばいだったが、1月に記録した史上最高値から約20%下落していた。

だがその後、金は1オンスあたり3200ドルをわずかに上回る水準まで10%近く下落。一方、ビットコインは同期間に約10%上昇し、2カ月ぶりの高値9万7000ドルに達した。

[ビットコインと金(Geoffrey Kendrick)]

「米国からの戦略的な資産の再配分に対するヘッジとして、ビットコインは金よりも優れていると考えている」と英銀スタンダードチャータード(Standard Chartered)のジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は述べた。

同氏は、ETF(上場投資信託)への資金流入状況が価格とともに反転し、ビットコインETFへの資金流入が金ETFへの資金流入を上回ったことに注目した。

さらに同氏は、ビットコインETFへの資金流入が金に対してこれほど大きな差をつけたのは、米国大統領選挙の週以来だと指摘。その2カ月後、ビットコイン価格は40%以上上昇し、10万ドルを超えた。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Shutterstock
|原文:Gold Continues Correcting and That Might Be Good for Bitcoin