TONベースのプロトコルのAffluent、テレグラムをスーパーアプリにすることを目指す
  • トン(TON)ベースのマネーマーケット・プロトコルが、メッセージング・プラットフォームのテレグラムをDeFi向けのスーパーアプリにすることを目指している。
  • テレグラム内のミニアプリとしてアクセスできるAffluentは、一種の「暗号資産向けスマートバンク」としてデビューした。

トン(TON:The Open Network)ベースのマネーマーケット・プロトコルが、メッセージング・プラットフォームのテレグラム(Telegram)を分散型金融(DeFi)のスーパーアプリに変える計画を立てている。

テレグラム内のミニアプリとしてアクセス可能な「Affluent」は、6月16日にメールで発表された内容によると、一種の「暗号資産(仮想通貨)向けスマートバンク」としてデビューし、レンディングプールや利回り戦略を提供するワンストップのハブとして機能する。

Affluentの共同創設者の1人は、2020年にテレグラムが放棄したネットワークの開発を継続するために設立されたトン財団(TON Foundation)の元投資ディレクター、ジャスティン・ヒョン(Justin Hyun)氏だ。

ヒョン氏は、DeFiの研究開発プロジェクトB-Harvestの共同創設者である同僚のヒョン・リー(Hyung Lee)氏とともに、発表文で「Affluentはテレグラムを『金融スーパーアプリ』に進化させ、暗号資産を活用して個人ユーザーに日常の貯蓄手段を提供し、機関投資家には高い流動性を提供する」と述べた。

スーパーアプリとは、グラブ(Grab)やウーバー(Uber)のように、複数のサービスを1つのプラットフォームで提供するモバイルまたはウェブアプリケーションのことだ。金融業界では、テンセント(Tencent)のウィーチャット(WeChat)が、インスタントメッセージング、デジタルウォレット、モバイル決済、ローン、クレジットスコアリングなど多様なサービスを提供するスーパーアプリの代表例だ。

最もよく指摘されるDeFi普及を妨げる障害の1つは、ユーザー体験のばらつきだ。そのため、開発者はユーザーがすでに使い慣れたアプリ内に製品を組み込むことで、この課題を解決しようとしている。例えば、テレグラムがそうだ。

TON財団の監督下で開発が進められていたテレグラムはその後、TONを独立したエンティティとして位置付け、距離を置いていた。しかし2023年9月、テレグラムはTONをWeb3インフラストラクチャ用のブロックチェーンとして正式に採用した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:TON-Based Protocol Affluent Wants to Make Telegram a Financial Super App