KuCoin、機関投資家向けにウォレットへの事前入金不要の取引を提供
  • KuCoinは現在、機関投資家の顧客がウォレットに事前入金することなく取引できるようにしている。
  • 機関投資家の資産は、カウンターパーティリスクとシステミックリスクを軽減するためにカストディと執行を分離するモデルに従い、ビットゴー・シンガポールで保管される。
  • KuCoinは機関投資家の顧客に対し、TradFiの世界で認識されている取引体験を提供しようとしている。

暗号資産(仮想通貨)取引所のKuCoinは現在、機関投資家の顧客がウォレットに事前入金することなく取引できるようにし、伝統的金融(TradFi)の世界で認識されている取引体験を再現している。

セーシェルに拠点を置く取引所であるKuCoinは、暗号資産カストディアンのビットゴー・シンガポール(BitGo Singapore)と提携し、取引所外決済(OES)にビットゴー・シンガポールの「Go Network」を使用すると述べた。

「KuCoinのあらゆる商品(スポット、マージン、オプション、永久先物)はGo Networkを通じてアクセス可能となり、資産の保護が確保される」と同取引所は19日の発表で述べた。

暗号資産企業は、機関投資家による暗号資産の採用拡大に伴う利益獲得を目指しており、TradFiで馴染みのあるツールを導入する必要性に直面している。今回のケースでは、機関投資家の資産はビットゴー・シンガポールで保管され、カウンターパーティリスクとシステミックリスクを軽減するためにカストディと執行を分離するモデルに従っている。

KuCoinが提供しようとしているものは、一部の人々にとって、現在は存在しないシルバーゲート銀行(Silvergate Bank)のシルバーゲート・エクスチェンジ・ネットワーク(SEN)プラットフォームを彷彿とさせる。同プラットフォームは、機関投資家が取引所に資産を移動させるのに役立っていた。同行は、2022年を通じて深まった暗号資産の冬のさなか、2023年3月にこのサービスを停止し、その直後に清算手続きに入った。同行は2022年11月のFTXの崩壊によって決定的な局面に達した。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Shutterstock
|原文:KuCoin Allows Institutional Clients to Trade Without Having to Pre-Fund Wallets