利下げ観測が高まる中、ビットコインは一時10万8000ドルを回復──トレーダーの注目はETH、SOL、ADAへ
  • ビットコインは、中東情勢の緊張により先週10万ドルを割り込んだ後、一時1​​0万8000ドルを回復した。
  • トレーダーは、FRBのハト派的な発言と暗号資産への個人投資の増加を背景に楽観的な見方を示している。
  • 機関投資家による採用と潜在的な利下げが投資家心理を押し上げており、ビットコインとイーサリアムは上昇している。

ビットコイン(BTC)は一時10万8000ドルに達し、中東情勢の緊張によって先週9万ドル台まで下落した価格から完全に回復した。マクロ経済指標がリスクオンに転じ、暗号資産(仮想通貨)強気派がテクニカル面での足場を固めたことが背景にある。

市場は現在、2つのトレンドの収束に賭けている。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のハト派的な発言と個人投資家による暗号資産への回帰が加速することだ。

LVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクター、ニック・ラック(Nick Luck)氏は、「暗号資産は強気トレンドを維持するだろう」と述べている。「機関投資家による購入が増加しており、ジェローム・パウエル(Jerome Powell)FRB議長による利下げを示唆する発言は投資家心理を急速に動かしている」。

パウエル議長は今週、貿易協定の成立とインフレの緩和を条件に、金利調整は依然として検討中であると述べた。市場はこれを2025年後半の政策転換を示唆する発言と受け止めた。

記事執筆時点で、ビットコインは10万7800ドル付近にあり、過去24時間で1.6%上昇した。 イーサリアム(ETH)は1.8%上昇し、2480ドル付近で推移している。ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)、エックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)は1%未満の上昇にとどまっているが、BTCとETHの価格がさらに回復すれば、次に動き出す可能性がある。

FxProのチーフ市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏は、市場全体の時価総額は以前、200日移動平均線(SMA)を下回った後、急反発し、「この水準が新たなサポートとして確認された」と述べている。

ビットコインも50日SMAを回復しており、センチメントが維持されれば勢いが加速する可能性があることを示唆しているとクプツィケビッチ氏は指摘し、BTCは最近の高値から約5%下回っており、史上最高値を更新したばかりのナスダック100などの伝統的なハイテク指標に遅れをとっていると付け加えた。

「暗号資産関連株がこのペースを維持すれば、まもなく伝統的な金融市場に追いつく可能性がある」とクプツィケビッチ氏は述べている。

一方、潜在的な需要も強まっている。 eToroのデータによると、ドル安と世界的な不確実性の高まりの中、アメリカの個人投資家は暗号資産へのエクスポージャーを増やしており、58%がポートフォリオを暗号資産を重視するようにリバランスしたと報告されている。

コインシェアーズ(CoinShares)の調査によると、現在の保有者の89%が2025年に暗号資産への投資を増やす予定であり、調査の回答者の75%が積極的に市場への参入機会を模索している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Nears $108K as Fed Rate Cut Bets Rise; Traders Eye Ether, Solana, Cardano