ビットコイン先物の建玉、約10%急増──ビットコイン価格は11万ドルに迫る

- ビットコインの無期限先物契約の建玉が約10%急増した。
- ビットコインの価格は、米ADP雇用統計の弱さや新ETFの発売などの要因により、3.5%以上上昇し、10万9600ドルに達した。
- 価格急騰により3億ドルの清算が発生し、主に弱気のショートポジションに影響を与えた。
ビットコイン(BTC)価格が11万ドルの大台に迫るなか、ビットコインの無期限先物契約の建玉は7月2日、4カ月ぶりに最大の増加を記録した。
データソースのVeloによると、オフショア取引所に上場されている無期限先物契約の建玉は、269億1000万ドル(約3兆8800億円、1ドル=144円換算)まで約10%増加し、3月2日以来の単日最大増加率を記録した。
データ追跡サイトのVeloは、バイナンス(Binance)、バイビット(Bybit)、OKX、デリビット(Deribit)、ハイパーリキッド(Hyperliquid)に上場されているUSDおよびUSDT建ての無期限先物契約の取引活動を対象としている。
建玉とは、まだ決済されていない契約の数を指し、通常はドル建ての累積価値で表される。
建玉の増加と価格上昇が同時に発生すると、上昇トレンドが確かなものとなったと言われる。ビットコインの価格は、ADP雇用統計の結果が期待外れとなり、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げを求める声を強めたこと、トランプ米大統領のベトナムとの貿易合意、およびレックス-オスプレイ・ソラナ+ステーキングETF(REX-Osprey Solana + Staking ETF:SSK)の発売など、複数の要因により3.5%以上急騰し、10万9600ドルに達した。
さらに、ビットコインとイーサリアム(ETH)の無期限先物資金調達率は、年率5%から7%を超える水準にやや上昇し、レバレッジを効かせた強気ポジションへの需要が再燃していることを示唆している。ドージコイン(DOGE)とカルダノ(ADA)の資金調達率は10%を超えた。
また、ビットコインの価格上昇によって、マージン不足によるレバレッジ付き先物取引の強制決済(清算)が合計3億ドルに達した。データソースのCoinglassによると、清算の大部分は弱気のショートポジションであった。
過去24時間で合計10万7604のトレーダーが清算を余儀なくされ、そのうち最大の単一注文は232万ドルを超える規模で、ハイパーリキッドで発生した。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ビットコイン無期限先物契約の建玉が約10%急増(Velo)
|原文:Bitcoin Futures Open Interest Surges Nearly 10% as BTC Eyes $110K